ダイブ イン

10日

サブで持っていくつもりだったブルースブレイカーの回収をすっかり忘れてしまっていたので予定より2時間早く起きて尾崎まで。時刻は4時。なくてもきっと大丈夫やろうけど、今回のレコスタにはベースアンプだけが常設である。アンプとドラムセットを持ってる俺たちの強みである。ひとまずBBを車に積み込んでから、バナナ食べて実家の麦茶飲んで煙草吸ってすぐ出発。6:50寺田町でみずやんを拾ってその後龍を迎えに行ってからは高速乗って岡山まで真っ直ぐと。根來は大阪に居ないしドラムセットの兼ね合いもあるので単独で向かってもらった。とはいえ岡山は本当に近い。大阪から和歌山へ行くくらいの距離感である。走りながら何聴いてたっけな。久々に間違いないCDたちを持ち出せて嬉しかったのだがすっかり忘れてしまった。9mmだけは4枚くらい持っていった。道中みずやんとヘラヘラだらだら話しながら、龍はぐっすりと眠りながら。高速の乗り換えミスを1回、岡山に降り立ってから筋を見失うを2回ほどやらかしてようやく辿り着いたduskline。3年振り?もうちょっと?懐かしくも真新しさもまるでなくてホッとしたという変な気持ち。少し早めに着いていた根來はドラムをセッティングしており、それを追うようにマイクを立てていく南石さん。心の底からの「ご無沙汰しております。」が勝手に口から飛び出し何故かすごく嬉しかった。俺はかなり南石さんに会いたかったのかもしれない。そもそもこの人に録ってもらいたいと思い続けていたから当たり前かそれは。俺たちも機材を入れていくかと外に出ると大雨。通り雨だったが。誰も急いでいるわけではなかったと思うが、凄まじい速度で搬入→セッティング→音出しと進んでいった。みんな録りたくてしょうがなかったのだろうきっと。俺はもうずっとそうだった。南石さんとの再会に喜んでる間もなくもう予定より1時間程早く録りにかかったはず。諸々の確認をして、じゃあ煙草吸ったらやりまっかと皆で一服。2年半程Hue'sを離れていたマネージャーもこの日から戻ってきてくれて、なんだか妙にしっくりきたのを覚えている。随分と雰囲気が変わったような気がする南石さんにそれを問うと コロナが始まった時に人生初の坊主にして、それ以来伸ばしっぱなし言っていた。この日の1笑い目。最高な人。もう全てにおいてダメになる予感が一切しなかったのでここからはズバズバと進めることができた。珍しく一旦煙草を懇願するみずやんを「あと2テイクやったら!」とまたまた珍しく俺が引き止めながら。この日で3曲のオケを録り終えてその最中については結構な時間の記憶がない。体感は90分程だったが想像以上にヘトヘトになった。明日ももちろんやりまくるので21時半頃解散し龍が予約してくれた宿へ。ひたすらにただの一軒家でありおばあちゃん家そのもの。その具合にリアクションを取りまくる体力すらなかった俺たちは荷物を置いてから晩飯を買いに近くのラムーまで歩いていた。湯張ってんの忘れてた!と蛇口締めに龍が走って戻っていった。適当ですごく安い総菜と酒少しを買って我々も戻った。時刻は23時頃、流石にヘトヘトで会話すらままならないHue'sは各々飯を食い酒を飲みこの日はおしまい。何故か1人なりたかったので俺は1階の和室で横になった。2階の寝室から聴こえてくる龍の歌を聴きながら。

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11日

起床。根來は起きていた。まだ風呂に入ってなかったのでサッとシャワー浴びて気持ちいいの良い縁側で煙草を吸っておはよう。でかい庭もあって心は安らぐ。しっかり8時間ほど寝た俺たちは無事フルパワー。9時半 みずやんと龍は宿にあったフリーチャリに乗ってdusklineへ。俺と根來は龍のMIDI鍵を裸で持ち徒歩で。annちゃんは朝ごはんを買ってきてくれていた。いつも非常に助かります。珈琲飲んで煙草吸って一息ついたらやりましょう。とりあえず昨日の続きであるギター重ねを2テイク試し終わらせてオケ録りは残り1曲。スムーズ過ぎる運び。この日南石さんは背中にデカデカと"Guitar Wolf"と書かれたTシャツを着ていて「それやばいですね。」と思わず突っ込んだら「そっちのTシャツも、いいねやばいね。」と言ってくれた。Infest The Rats' Nest...あまりの多作っぷりに追いつけていないのは自分だけかと思っていたが南石さんもそうだと言っていて安心した。無理よあんな速度。最後の1曲に取り掛かる前例の如く煙草を吸っていると突然騒ぐみずやん。指差すを方を見てみるとトカゲがいた。そういう生き物が可愛いのは大前提として当たり前 だがあまりにも縁起が良過ぎた。これから録る曲は完全にそういう曲だったのだ。捕まえてブースの中を這っていて欲しかったが凄まじい素早さで逃げてしまった。見れただけでも幸運を感じることができた。調子が右肩上がりな俺たちはこの1曲もヘラヘラしながら重ねも含め30分以内に終わらすことができたはず。グレッチを高く構えた龍とSGを顎下ぐらいに構えた俺は上裸でみずやんは何故かジーパンを脱ぎ(誰も突っ込まなかった)、根来真嗣はそのままの姿だった。これでやったテイクはもちろん良かったがまだヤレる気がしたので最後に電気を全て切ってやらせてもらった。結果それが採用。俺らは曲に全てを捧げただけである。これ以上の詳細はまたみんなが聴けるようになってから果てしなく書こうと思う。

オケを全て無事録り終えて昼食を軽く摂ってからはもう龍の声を残すのみ。今までのRECにおける歌入れを全て総括し、踏まえ、粗を潰し切った龍のこなしっぷりは素晴らしかった。全員が見えていると本当に話がはやい。歌入れも順調にヘラヘラというか爆笑しながら進んでいきあっという間に日が暮れた。明日が終われば帰らねばなので時間に余裕がある今日のうちに打ち合わせておきましょうとチームHue'sで晩飯へ。I LOVE YOUを録った時に訪れた焼肉屋がどうしても忘れられず、記憶とGoogleを振り絞ってくれたannちゃんが無事店を特定しタクシー乗り込み岡山駅の方へ。車のキャパシティ的に4人しか乗れないのでみずやんにはチャリを漕いで1人向かってもらった。チャリ漕いでたら1日終わったと彼は言ってた。それくらいチャリデイを満喫されていた。

店に着。昨日dusklineに再び訪れたときとまったく同じ気持ちになって、我々はみずやんを待たず一度乾杯。改めてまたよろしくお願いしますannちゃん会&今後の予定どないしましょ。俺が普段本能がままに話している内容を一切の語弊なく根來が全て伝えてくれたのでもうヘラヘラしながらひたすらビール飲むをした。話すことはもちろんちゃんと話すが。ひたすら肉を焼き続けてくれるちゃりやん。今の俺たちのテンション感を凌駕するレベルでやる気に満ち溢れているannちゃん。そしてこの日も一滴も飲まない龍に少し恐怖を感じながらもよく飲みよく食べた。お店のおばちゃんは俺たちのことを覚えてくれていたみたいで、annちゃんが灰皿を持って席に戻ってきた時にわざわざ声をかけてくれた。前回ここにきた時のHue'sはズタズタだった。St.Angerを出した時のメタリカばりに。メンバーは変わったけど、ようやく良い気持ちでやれるようになった今またここにこれて胸がいっぱいになった。本当に。チャリを誰が漕いで帰るかを言いながらも結局4人仲良く歩いて宿まで戻ることに。どんぐらいの距離やっけ?と思い今GoogleMapで調べてみると3.5kmの45分と出た。たまげた。結構酔ってたし風気持ちよかったしな〜。この後も俺とみずやんはコンビニに酒を買いに行きまだ飲んだ。そして俺がひたすら酔っ払い続けて余計なお世話な仲良いバンドの心配話しを小1時間してリビングの心地良過ぎるソファで寝落ちた。みずやんが電気を消してくれたことだけは覚えている。本当にレコーディングしにきているのか...??と書いていて思う。

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12日

二日酔い...というかまだ全然酔っ払ってる状態で7時過ぎに起床。そんなに飲んだっけな〜と思いながら縁側でぼーっとしてると宿主の方が隣の家から出てきた。やっと顔を合わせれた。「おはようございます。すごくいい宿ですね。お世話になっております。ありがとうございます。」と声をかけると色々話してくれた。ゆっくり、自由にしていってくださいねと めちゃくちゃ気のいいおとん代表な顔して仕事へと向かわれた。岡山はおおらかで優しい人しかいないのか?とまだ酔った頭で考えながら、送られてきていた昨日までのラフミックスを聴いていると何故だか涙が止まらなくなり煙草を一気に3本くらい吸ってしまう。この訳は自分の中だけに留めておく。昨晩ビールとともに買っておいた珈琲飲んで風呂入ってあがると根來が起きてきた。訳のわからん姿を見せず済んでホッとする危なかった。ゆっくり荷物を纏めているといつのまにか抜け切ったアルコール。気持ち悪さはない。最近どうも飲めるようになってきてしまったので楽しいが何故今になって。今日で終わる寂しさに包まれながらも宿を出た。龍は感謝の言葉を紙に残していた気がする。根來と龍は徒歩、みずやんと俺は車でラムー経由しdusklineへ。飲み過ぎた翌日は暴食をしたくなるのでバカパンを2個と牛乳を買った。着いてから、annちゃんが買ってくれていたおにぎりやサンドイッチも食べた。ひたすら食べたり珈琲飲みまくったりしているうちに龍の歌入れは詰まることなく無事終了。細かい描写はここぞの時のため置いておきます。好きでやってることの記憶力だけは私凄まじいので。やること全て終わってからはB-15Sにギターを繋いで弾かせてもらったり、南石さん私物のレコードを大きい音で聴かせてもらった。ハーゲンダッツ食いながら。"レコスタの環境で聴きたい"レコードが無数にありこりゃキリねえなと流石に自制心が効いたので3枚に絞った。Led Zeppeline - II、Phoebe Bridgers - Stanger in the Alps、Radiohead - OK Computerを数曲ずつ。こんなに変な帯域でパンも謎なのか ギターの音は潰れてるけどベースのローレンジ凄まじい シェイカーマジで速い。掻い摘んだ印象。見えるものがたくさんあった。俺の趣味全開な時間にお付き合いいただいた南石さんメンバーannちゃんさんきゅー。大満足でしたわ。最後に皆で一服して、南石さんにまたきますと伝え我々は車に乗り込み大阪に帰る。高速に乗る手前龍が「あ〜やらかした。」と絶望に見舞われたトーンで言った。しっかりとdusklineに財布を忘れていた。目の前のことにまっすぐ夢中になると自分が持ってきたものなんかちっぽけで、存在ごと忘れてしまうよな。フジに初めて行った時新潟のガソスタに給油口キャップを置き去りにしたまま走り続けた時にそう思った。帰りたくなかったんやな〜楽しかったもんな〜。

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直前の手放し

7日

レコーディング準備も佳境。あとは何をすればいいかわからなくなってきたので一度CEDARWOODに行き意識を飛ばす。靴(なんとフルオーダー)の磨き方/手入れ方法をまだ聞いてなかったので教えてもらいに。アーサーラッセルとCANをディスクユニオンで買って近くのライフでは6缶パックを買って言われていた時間に店着。19時って閉店時間やけどええのかなーと思っていたが、俺は完全に舐めていた。侮っていた。靴を磨く行為を。

19時半ぐらいから準備を始めて終わったのは22時半とか。マジ果てしねーけどおもしれー嫌いじゃないなあこういう作業〜と静まり返った店内2人でひたすら靴を磨き続ける時間は結構?かなり没頭できてよかった。甲來さんとは徐々に距離や空気が近づいていってはいるもののそんなに深ーく話すこともあまりなかったのでちょうど良い機会だった。やばいっすねー3時間もやってましたねーとりあえず飲みにいきます?とよくInstagramのストーリーで見る場に連れて行ってもらった。とはいえ終電まで1時間程だったのでスパッとやりますかと。わざわざ終電乗り換えのスクショを送ってくれていた甲來さんだったが、それを全てぶち壊すのも甲來さんだった。今思うとめちゃくちゃ面白い。時間ですね!ちょっとまたゆっくりやりましょう。楽しかったです!と店前で1分足らずで煙草を吸い切り終電ダッシュしようとしたが店の中から甲來さんの顔見知りがゾクゾクと出てきて「え?飲むでしょ?」と言わんばかりに場が荒れ始め、彼は容易く飲み込まれ、断腸の思いでさらばを試みるも「あきらくん!今日は、やりましょう...!」と説得されまくり俺は覚悟を決め煙草に火をつけて5分ぐらいかけて吸った。iPhoneに残された写真を見る限りAM3時過ぎまで飲んでいたみたい。記憶全飛びまではいかないが、ぼちぼちないような...。最後の店を出てから甲來さんと歩いた数分で芸術とはなんたるや という(2人ともそれは店でしろよ)脳がまた痺れる類の話をしたのはなんとなく覚えてる。あとタクシーの運ちゃんが御堂筋を降りていってる時にあの側道工事のワケを教えてくれた。全て歩行者道路にするみたいで、すなわち大量に植えられたイチョウの木を切り落とす話が濃厚らしい。世の中難しい。

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翌日というか、家に着いて6時間後にはメンバー4人とスタッフたちでミーティングだったが俺はしっかりと開始時間の10時に起きた。オンラインで行うことに過去最大の恩恵を受け起きてギターだけ持ってすぐ家を出た。気持ち悪さはあんまりないがまだ普通に酔っ払っていた。

 

 

8日

オンラインで参加しながら移動し十三まで。スタジオ開始時間にはなんとか間に合い録る直前の最終確認を進めていく。各曲細かいアレンジを3パターンずつほど用意して、あと心配な点は...??ない気がする。各々完璧に準備が整ったのか、無我の境地に入ったのか、諦めたのか。この時どれかは分からんかったが全能と夢想に包まれていたことだけは確かだ。あ、そういえば龍のグレッチだけはぶっ壊れたままだったので工房に持っていかなきゃ。でもその前にこーたくんに呼ばれたのでそちらを先に行くことにした。

アメ村まで降りて超空腹にバーキンぶち込み三角公園でULTRA CUBと合流。目当てのモノが2~3個あると言うこーたくんに着いていき俺はヘラヘラしながらそれはどうでこうでと感想を言いまくるだけの人をやっていた。ブランドはもちろん違うが載ってるスピーカーは同じ。マウントのされ方は違ったっけ。それらをザッと全て確認できることなんか中々無いので助かります!という気持ちになった。こーたくんはひたすらに感謝してくれて、ビールまで頂いてしまった。ので彼らのローディーというヘラヘラしながら機材運んだりこーたくんのnewキャビとBRONZEの鳴りの具合を定めていく遊びをさせてもらった。かーみくんもやれと言ってくれたので。

たまたま見れたFATE BOXが素晴らしいライブをしていた。これぞ全能的といった。Hue'sとFATE BOXの対バンが増え始めた1番最初にVOX Hallでお客さんがゼロ(本当)の日があり、これはもう笑うしかねえなとなった俺たちはツイキャスライブ配信を行いHateドラマ長夢夏待あとなんか一曲という今は絶対にやらない30分をやった。それはそれで身内が結構見てくれていたみたいで爆笑してくれたし離れた地に住む友達(主に舜平)があれ良かったよ!と言ってくれた。そしてFATE BOXはブチギレでぶち抜きなライブをしていてそれに心底痺れたのだ。真っ直ぐ正真正銘のパンクを見た初めての日。その時みたいなブチ抜き具合をこの日の彼らに感じた。そしてそれを超えた煌めきと多幸感みたいなものが満ち溢れていてただただ素晴らしかった。俺は言葉を失ったけれどすぐさまカブだったので余韻はほどほどに遊びを続けた。ULTRA CUBはULTRA CUBで普段腰が砕けっぱなしなカーミくんはライブになるといつも通りバキバキにスイッチが入りエンタメとして完成され尽くしていたのが変わらず良かった。なによりも、カミムラコータ氏のNewキャビネットが吠えまくりで思わず笑っちゃったよ。アンプから出している自分の音に興奮しまた血の通いまくったサイコーなプレイ を30分間繰り返し続けていた。多くの人が彼のおかげで笑顔になれたと思う。良すぎるギターサウンドとプレイって人を笑わせることができるのか。メタル以外でも存在してるなんて。買い物に同行できて光栄だった。ゆっくりヘラヘラしている間もなく東三国へ急いだ。

レコーディング前最後の任務、グレッチを治すこと。ジャックがもう長らく馬鹿になったままで接触不安定だったのだ。持ち主である龍が弾けば音は鳴り続ける。俺が持つと不規則なトレモロがかかる。不思議でしかない...。できる限りのことは工房に持ち込んで高早さんに教えてもらいながら修理/調整をしているが流石にもう頭はクリップしていたのでグレッチに関しては全てお願いした。治してもらってる間ずっと最近のHue'sがどうとか、今日キャビを買いに行くのを着いていきどれも当たり前だが全て違ったとかそういう話をしていて、ここにずっと一顧客として通い詰めていた時のことを思い出した。高早楽器技術の工房は俺が最も愛するスーパー銭湯 平野台に並ぶほどホッと落ち着く場所であることを。今もあまり変わりないが。小1時間ほど時が止まったような気分になって工房を後にし、何聴こかなとiPhone開くとカズから「いまどこいます?」とLINEが来ていたのでアメ村に戻ることにした。三角公園まで行きしばらくしてカズボブがやってきて3人で酒買いだらだらと話した。友達と夜集まって外でだらだら話すのは大体楽しい。時間を潰しまくってる気がして。ボブも見れば見るほど拓けていっており痛快ポイントが増えてきている。2人に今日のFATEがどれだけ良かったか どれだけパンキッシュだったかを話すとカズはbecauseを全て教えてくれた。知らずに自分の中だけで想像膨らませることも大切だが本人の口から意思を知ることもすごく大切。俺はもうまんま腑に落ちた。そらあんたらが好きだわと。丸一日動き続けて流石に疲れたので1時間程話して帰宅。明日は明日で機材を回収して荷造りもせねばならん。でもまぁこれだけ疲れてるとスッと寝れるのでいい。録りの流れだけ書き起こして今日は終わりにしようと思ったけど覚醒して全然眠れなかった。まださらに詰めに詰めて、昼にスタジオで録ったデモをずっと聴いていた。何回聴いても良かった。

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9日

昼には起きて4本のギターの弦を全て張り替え、ネックとオクターブ調整にも手を出してしまい一向に終わる気配がしない。ブラストカルトの調整だけ残して車を取りに尾崎まで。転勤で川崎まで行ってる森氏が帰ってきてるとのことで、とりあえず家に呼び煙草吸いながらやつのしょーもなくてめちゃくちゃ面白い話を沢山聞いた。新大阪から新幹線で川崎まで戻ると言うので車に乗ってもらい十三でついでに機材回収も手伝ってもらった。だるいと言いながらもめちゃくちゃ運んでくれた。根はすごくいいやつ。止まることのない口から出る話はどれも臨場感あふれるおもしろさで俺はずっとNSCに入ってほしいと思い続けている。久々に会えて良かったよまぁ元気でな と新大阪まで送って俺はまた家に帰り調整の続きを。全て終えたのは21時頃だった気がする。眠ろうと布団に入るものほーんとに寝つけない。ここまでくると夢想と全能だけが俺を包んでくれていた。ブルースブレイカーは実家に忘れてしまっていたが...。

 

 

メモ、需要はごく一部に有り

レコーディングの時にはっきりしたことだが、ついに我がMarshall JMPのスピーカーが破れていた。一年前くらいに片方が完璧に破れ、もう片方もついに。古めのものなのでCelestionとは言えRola時代のものが2発入っていた。大きく変わるものとは思ってもいなかったけど、前回破れて現行で1番普通のグリーンバックに載せた変えてみたところ馬力がしっかり見えるようになりアリやなとなれた。だが今回変えると2発とも現行品。もちろん悪くないのだがせっかくの70年代物がな〜という気持ちがよぎったが俺はコレクターではなくプレイヤーなので変えることにした。フジイケンジ氏が頑なに片方はRola期のもので続けてる理由が少しわかった気がする。あからさまにローの密度が変わる。2発とも現行にするとしっかりと上の飛ぶ速度がアップしてトレブルやミドルも上げ放題になる。だがRola期のものに確かにあったアンニュイさというか、ブリっと濃くでるミッドローがすっかりなくなってしまった。これはかなり考えものである。内部のスピーカーケーブルもものすごーく関係してきそうな問題であり、考え甲斐はあるが想像以上にヘビー。VIVIAN KILLERSあたりから音のカサつきが顕著になり艶っけのあるクランチとクリーンの間が居なくなってた理由はきっとこれ。で、きっとパワー管も大きく関係してそう。完璧なバイアスバランスを保ち続けなきゃいけないアンプなんだとおもう。この時期のマーシャル、フェンダーは。他のアンプももちろん絶対的にそうであるべきなのだが。元気な方のスピーカーをマイキングしてそれをメインスピーカーから出してもらってもカサつきは逃れられない。なんで破れてんのにパワーそんなにあるんや。これは長い戦いになりそう。

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いつでもかえれる場所

明日からレコーディングだというのに全く寝れない。出発がとても早いので、21時には寝れるように準備していた。順調に眠たくなってきた午後6時。家に着いて荷造りをしてギネスを1本飲みいざ寝ようと布団に入るもなかなか寝れない。そういう時はいつもの芸人のラジオを極小音量で流しておけばすぐ眠ることができる。...が聴ききってしまった。全てが今までにない感覚なので少し動揺している。JTMを実家に忘れてきたので取りに行かなくちゃならんので寝坊は本当に許されない。JMPだけでもきっと大丈夫なんだけれど、応急処置で龍のVOXを使う?B-15かV-4Bに繋ぎあるゆる手段でローを削り録る?はたまたコンソールに直挿しでいく?リードギターのアンプはマーシャルだということに、いつのまにか大きく存在してしまったプライドが流石に許さない。黄金の煌めきをずっと信じてる。

 

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考える前に走る

最近はそんな感じで脳が少しでも凝り固まったなと思えばとにかく走るようにしている。朝早く起きて外の風あたりながら煙草吸って、マフにご飯を出したら走りに行く。いざやるまではメサブギーのキャビネットぐらい腰は重たかったが今はスペースエコーほどの軽さ。丸1日しっかりバキバキでスカスカな頭を維持して過ごせる。何事においても脳死でやれるに越したことはないと思うようになってきた。いつだったか覚えてないけど、死んじゃうじゃんかというバンドが活動を止めるにあたってメンバーが書いていたえらく長いブログに「没頭しろ。」という言葉があった。これが妙に腑に落ちて目にして以来ずっと頭の片隅にあった。それを今やっと、しっかり飲み込めるようになってきた。集中ではなくとにかく没頭。言い換えれば"ゾーン"になるのだろうか。その境地にまで達していれば頭も身体も勝手に動く。簡単にできることではないが辿りつくための労力はいくらでもやってやろうと気になってきた。無心で、没頭してやれている瞬間が1番素で在れるように。やりたくないことは絶対にやらないけれど。

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25

BINDUというカレー屋へ。今となってはコンビニと張り合えるほどの店舗数になったインド・ネパールカレー屋へ頻繁に足を運ぶきっかけになった店であり、度々諸々を確かめたくなりBINDUへ行くのだが、やはり素晴らしかった。何故だか大阪にだけ大量にある。ここのマライティッカは膝から崩れ落ちるレベルでうまいので行ってみてほしい。カレーとナンはもちろん異常なうまさ。BINDUの次はディスクユニオンへ行きイギーポップとフランクザッパのやばいジャケのライブ盤2枚を購入。どちらも様子がおかしい空気感で痺れた。中崎町駅から谷町九丁目まで行ってライブを見た。高校3年間全てを共にした当時のバンドメンバー、ベースのやつが10年ぶりにバンド/ライブをするというので流石に気になって。初々しさ満開の30分であったがやはり荒木は音もプレイもセンスがずば抜けていて10年のブランクを感じさせないほどにあの時のままだった。成長していないと言ったらそうかもしれないけれど、変に凝り固まって誰にも分からない方向に進んでいるよりかはよっぽど良い。本人が楽しそうだったのがなによりも。俺がひたすらまわり道をしながらやり続けていることを自問自答し続ける30分でもあった。

ものすごい気持ちになりながらもサイケデリックな絵の展示を見に難波まで。前日にらもがストーリーに載せていて、気になって教えてもらった。ウンラヌというサイケデリック(本質を真っ直ぐ突きまくっている)バンドをやっている人が描いていて、それすらも知らなかったけれど絵も流れている音も全てが極彩色で2022年の俺が追い求めていたものが確かにそこにあった。ヘラヘラしちゃうくらいには脳にビリビリきた。たまたま本人もいらしたので話せてよかった。ベルボトムの調達先も知れたし。そのあとは龍からストラトを回収して長くみっちりした1日を終えた。

kikagaku moyoのポスター展こそ行けばよかったなあ。

f:id:akrmuff:20230704144617j:imagef:id:akrmuff:20230704144703j:imagef:id:akrmuff:20230704221103j:image格ゲーのキャラ選択画面か?

26

みずやんの引っ越しをメンバー総出で手伝う日。大体のことは用意周到に済ませておき、円滑に進めるのが上手いみずやん(1番疎かにしてそうと思われがち)だが家に着いてたまげた。片付けは想像以上に終わっておらず根来真嗣龍俺で一回笑って煙草吸ってからは急ピッチで荷物を運びまくることに。車2台を往復させまくりながらなんとか20時過ぎにはノルマを終えることができた。一息つけてから新居でこれからどういうことを仕掛けていくか(Hue'sのこと)を話して22時頃解散。思いの外身体はバキバキにならなかったが今思うと重量級の家具は全て龍と根来真嗣が率先してやってくれていたからだ。(龍は早いうちに一度帰宅していったが呼び戻すと再び現れてくれた。謎ムーブっておもしろい)

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28

スタジオデイ。試したいことが山ほどあったので1時間早めに着いて取り掛かるも音が出ないマーシャルアンプ。終わりを覚悟し応急処置でなんとかバンド練を済ませてから工房に駆け込む。軽度ではあったものの他の心配な点も沢山あったので高早さんに助けてもらいまくりながらなんとか全快へ。似たような造りをしたアンプを2台持っていて本当に良かった。転んでもただでは起きないを体現してくれたJMP(Jim Marshall Products)2104さんきゅー。この作業をしている間ずっと酷いゲリラ豪雨だった。不幸中の幸い。

予期せぬトラブルをなんとかこなして、急いでなんばHatchへ。チケットの整理番号はとっくに過ぎていたのでスムーズ過ぎる入場をしていざ入ったフロアではずーっとGeorge Harrisonのソロが流れていた。ビートルズはここ数年でようやく聴くようになったもののメンバーのソロ作は全く手をつけてなかったのでこういう場でジョージのソロ作が初聴き となればスーッと入ってくる。音良しノリ良しメロディ良しの、ジョージになんてこと言ってんだって感じではあると思いますが心底思った。最近すごく思う。Cream期のクラプトンはブチ抜き続けていてその上うますぎるし、ドアーズのジムモリソンは狂気が滲み出すぎではあるが歌とリズム感がすごすぎる。ジミヘンのヤバさはいまだにわからんが。

そういうことを考えながら定刻通りに始まったライブ。流石にという使命感と怖いもの見たさが同居したHELL SEEの再現ライブ。期待も斜に構えも一切することなく、マーシャルアンプのトラブルがあってくれたおかげか限りなくフラットに近い感覚で見ることができた。アルバムの曲順通りに目の前で演奏されていくHELL SEEは俺が閉じ込めまくったあらゆる思い出やその匂い空気そのものでしかなかった。そこに没頭し尽くせるほどに演奏と五十嵐隆の歌があまりに完璧すぎた。時より回っていたベースの低域も音源さながらで「良い」と思えてしまったな。少し前に復活したART-SCHOOLのライブを見にシャングリラへ行ったけれど療養明けすぎたのか、木下理樹の歌とリズムがずっとよれていて、それに合わせざるを得ない音の流れは見ていて本当に苦痛だった。そこにいてくれるだけでいい存在っていうのはもちろん大事だけど俺にとってART-SCHOOLはそれに今は値しなかった。そういうヤバさを知ってしまったが故にほんの少し「どうだろういけるか?」って気持ちはあったけれどHELL SEEはまるで違った。俺がイメージするHELL SEE像そのままで在った上に演奏は硬く一切のブレがなかった。プレイもサウンドも痺れ尽くした。ドス黒さと透き通った青白さのコントラストも完璧な作品だという新たな気づきもあった。年々綺麗になっていく(それはそれで好きではある)作品になんか足りない感があったのはドス黒さだったな。Song For Meがあんなに綺麗で流れるような青と灰の曲だとは思ってもいなかった。あとは月になってが名曲すぎるのはもちろんのこと、その後のEx.人間のギターソロが好きすぎる。最後のパレードだけに使っていた12弦の響きは驚いた。あの煌びやかな哀愁を納得。もっとうつむきながら揺れていたかった。かなり後追いになったリスナーですが、身体の一部になれててよかった確かめることができた。鈴木さんきゅーよ。脳が解けた。

 

7/3

最後の手前の調整。Fireloopを使ってのゲネプロ。先日ループへ ただただ飲みに行き足立さんとみずやんと音の話で2時間以上突破してしまいその延長に今日があった。酔った勢いで決めてしまって「まじでやるべきなのか?」と疑心暗鬼になることもあったけど、やってよかった。足立さんは昨夜の打ち上げで文字通り打ち上がりきり記憶や信頼を飛ばしまくったことを悔いながら準備していた。申し訳ないけど結構笑えた。

ここでライブ等をするときは大体野中に頼りっぱなしで足立さんとグッと共に何かをすることは今までなかったけど、さすが店長。今までFireloopで体感したことのない空間の鳴りを知れた。最近のHue'sの音が固まっているというのもあるだろうけど、それを抜きにしても非常に良かった。そのうちFireloopでもライブしたいな。カイシュウにもきてもらって色々パシャってもらった。そう果てしなく遠くはないうちにこの件もアナウンスしたいのでしばしお待ちを。

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迫り来るレコーディングの準備作業も兼ねたゲネプロであった。前回のスタジオが珍しく、何かが進んだ実感が一切なくよろしくないヤバさが滲み出ていたのでこの日を迎えるのが少々恐ろしかった。が、音作って全員でガンッと出した時に これはいけるヤレる と思えたのでホッとした。なのでもうサクサクと進めてはいけたが俺の突拍子もない案に固唾を飲むみずやんと根来真嗣、ヘラヘラ笑う龍。

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全員が納得できる形へ というのは当たり前な話でもちろん大切だが、誰か1人が全てを担って責任取りにいくのも痺れる面白さがあるととれるようになってきた。互いが信じ切れているのを前提に。爆弾抱えて飛び込みたがるやつがいるなら、先陣切らせてダイブしてしまえば新たなデカい爆破を起こせる気がしている。派手に不発したらごめんとは思っている。全部任せろぐらいの気持ちではある。龍の歌と声の良さを1番知っているのはみずやん根来真嗣俺ということにようやく、本当に今更すぎるが気づいた。それぞれメンバーに対しても絶対的にそう。互いを引き伸ばしあっていくだけなのだバンドというものは。

音疲れしたときの帰りは何も聴きたくないほどクタクタになるけど今日はそんなことなく、ずっと何かを聴いていられた。やったし聴くしのバランスがちょうどよかった。これも脳死活動の賜物なのだろうか。脳みそは常々柔らかく、開いていたい。

スロー・アーカイブ

今月やったライブはどれも本当に気持ち良かった。今までのライブは全て録音を残していて翌日やその日の帰り道に1人で聴いているのだけれど、今月のものは全て毎日のように聴きたくなるくらいに出来が良すぎる。音ゲー的には全てをベストスコア叩き出せているワケじゃないけど(要精進)空気感や4人それぞれの音の伸びがどんどん良くなっていっている。極上のブースターを手に入れたかのように。ライブハウスには当たり前にそれぞれのハコ鳴りと呼ばれる特性があって、それを掴む速度もかなり上がってきた。そしてなによりもフロアのことがよく見えるようになってきた。そろそろOfficial Bootleg vol.2も出すべきな気がしてきた。特に金沢の日の録音はミックスやマスタリングをしないままで高くない値段で出してもいいんじゃないかってレベル。俺が熱狂的なオーディエンスであれば¥2,000出すくらいには。日々ディスクユニオンブックオフに行き俺が手に取るものはCream、Led Zeppeline、The DoorsPink Floydのブート盤ばかり。それ以外はサブスクで聴けちゃうからね。音楽を届ける側としては決してよろしくはない発言だろうけどやっぱりどこまでいっても音楽に対してワクワクしていたい側であり、密録したものを勢い余ってプレス出してリリースしちゃうトチ狂ったオーディエンスはマジでやばいと思うし大いに賛同できる。推奨はもちろんしないが。見てくれている側はそこまでしなくて済むように色々仕掛けていこうと思えました。あと静岡→京都→石川と1ヶ月で周ったことによってツアーの面白さ気持ちよさを思い出し取り戻した。やればやるほど見えてくる音や光、あとはそれに沿って進んでいくだけ。俺たちこの1ヶ月で確実に強くなれた。寝る前にiPhoneいじってたら2~3時間経ってて無意味な時間を消費してしまったと感じていた日々すら肯定できてしまうくらいには健全でいることができている。

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翌日、心のチューニング

俺にとって大きすぎる人たちが同じ場所にいた。じぇにーはあれから25kgも痩せたと言ってたし鈴木は金髪になっていてやけに似合っていた。元がイギリスの人みたいな顔なんよなジミーペイジよりも遥かに。じゅんやはいつもみたいに俺との話し方がすっかり飛んでしまってぎこちなかった。まだ誰かいた気がする。あれはどこだったのか。今朝見た夢の話。

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根来真嗣1人で走り切ってくれて彼の家に着。運転は俺に代わりあと1時間だけ走る。機材を下ろしに寄った十三のスタジオで龍は何故か吐きまくっていた。珍しい。朝5時過ぎだというのに騒がしすぎる御堂筋 なんばを見て3人ヘラヘラ笑いながら帰宅。マフにご飯を出して雪崩れ込むようにソファで寝た。

いつもなら夕方ぐらいまで寝てしまうが昼過ぎには起きれたので支度をして梅田に向かった。時間があったのでしばらく行けてなかったディスクユニオンへとりあえず。ここに来ると今どういうモノを探しているか/求めているかが炙り出される。自分がわからなくなった時は無心で棚全て見るをオススメするよ。見えてくるもの必ずある。思わず手を伸ばしてしまうCD/レコード/書籍がきっとある。音楽を信じていたりどうしようもないくらいに縋りついているのであればな。1時間半ほどかけて全て見て買ったのはシドバレットのソロ1st、ドアーズのブート盤、ビートルズPaperback Writerの3インチシングル、ベストの1、ステッペンウルフの1st、こんな感じ。5枚で3,000円くらい 良い買い物した。プログレッシブ/サイケデリックに傾倒していた時期のことを考えると良い感じにバランスが取れてきたようにおもう。ずっと探しているカーティスメイフィールドのアルバムに中々出会えない。どこにいけば買えるのかSHORT EYES情報求む。

すっきりとした気分でディスクユニオン近くのCEDARWOODへ、途中のライフで6缶パックを買って。流石に返さなきゃなってレベルで行くたびに何故かいただきまくっているので。

パリッとした店構えと並べられている服たちがあまりにかっこよすぎるのでいまだに扉を開ける時は背筋が伸びる。中にいる甲來さんとあっきーさんは非常にフランクでナイスガイなんだけども。2人とはお店の服はもちろんのこと、クリエイティビティとはなんぞやとかファッションと音楽、カルチャーの親和性とはみたいな話が止まらなくなり脳がビリビリして時間が飛ぶ。「進撃に向き合った結果そのことを誰かに話すと"気難しい"で済まされちゃうんすよね」と甲來さんが言っていた。めちゃくちゃわかる。小1時間ほどビールを飲みながら(結局)そういう話をしまくって、そういえばと忘れないうちに頼んでいた靴を出してもらった。半年前にここでオーダーしたものが出来上がった連絡が来ていたのでそれを取りにきていたのである。今後のことを考えると決して高くはないと思える(思いたい)最高な靴を手に入れた。そういう長い目でみるとここに置いてあるものは全てそんなに高くはない。引き続いて話が止まらなくなっていたのでサンダーバードをちょうど降りたyukoをお店に呼んで4人で色々話していた。彼女も何故か一着買って酒も飲み、ご満悦で2人して帰った。

この土日をCEDARWOODで締めるとは思ってもいなかったけど、おかげで今も脳がビリビリしたままで在る。音楽も服も飯も、作り手や伝え手の顔が見えると全部一直線上にあるように思えて気分が良い。

 

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夢想の日

前回の反省を活かしまくりライブ2日前から出発までの睡眠スケジュールを組んでちゃーんと5時起床。6時半に家を出てみずやん、龍、根来真嗣の順で拾い金沢へ。久々に晴れ渡った週末ということで普段混まない道もちらほらと渋滞。世の中は戻ってきている。戻るだけでなく別のやり方で進化したことも沢山あったけどこんなもんじゃ日本はすぐに終わっちまう。話が逸れましたな。南草津を境に普段行かない側のルートへ進み出してからは詰まることなくオアシスとか聴いちゃいながらスイスイと北上。たまたま選んだ杉津PAはばーっと広がる敦賀湾を一望できるしツバメの巣が段ボール敷き詰め系レコ屋ばりの密度であって非常によろしかったな。山を抜けると左手に日本海が広がって拓けた景色。石川県に入ってからは大阪で言うと浜寺公園とか二色浜みたいな海辺の整備された公園がたくさんあった。松の木ロードを抜けるともう金沢西ICで高速離脱。舜平から送られてきた寿司屋まではそこから30分ほどで予定通りの時間に着。店の駐車場奥には既にバカでかくて黒い車があった。真横に停めておはよう。まだまだ眠そうなmabutaはホテルのチェックアウトが10時とかで2、3時間暇してた待たせてごめんよ。煙草吸って少しシャッキリしてから入店。めーちゃくちゃおいしい寿司を10分ほどで食って退店。みんな食べるの早すぎるのはもちろんのこと、メロスピばりに速い提供も目を張るものがあった。コンビニに移動してコーヒーとアイスやりながら持て余せる時間は大変愛おしいもの。入りまではまだ2時間超。やることねえしとりあえずvanvanV4に車停めにいくかとHue's号に乗り込むゆうすけと潤さん、暑さにやられてずっと乗ってた龍。運転を根来真嗣に任せて俺とみずやんは舜平の運転するまぶ号へ。後部座席にはまだまだ眠そうな裕人。

vanvanV4に着いてみるともう機材入れてもいいよとのことでお言葉に甘え搬入。Hue'sもmabutaも機材がめちゃくちゃ多いけど、大人が8人もいればあっという間に終わった。完全に夏日だったので汗をかきまくった。フロアで涼みながら最近買ったSG juniorの弦を替える裕人を眺めたり、舜平とベースの話をしたり、最近買ったストラト(龍)の弦を替えるついでにネックを調整していたりするともうリハしていいと声をかけてくれた店長(PA)さん。舜平がこの日を誘ってくれた時に「日本で1番音が良いって言われてるハコ!」と言っていて本当かよ〜と疑っていたけどmabutaのリハを見て吹き飛んだ。レッドマーキーそのものだった。しっかりフルレンジで空間が鳴り響いてる。ハイが飛ぶのに耳は痛くないしラウドなローなのに非常に立体的。高速道路で窓全開にした時みたいなミドル。ありゃたまげた。ゆったりじっくりやるmabutaのリハの時間は贅沢そのもの。何時間でも見ていられた。変わって俺らもゆったりじっくりやらせてもらった。何をどうすれば良いかわかる最近なので(前回も書いたけど)ズバズバ進めて最高な音に仕上げることができた。基本的にセッティングが済んだ人からズバズバと音を出していくのだけれど、うちはみずやんが大体早くてまずベースが鳴る。その感じでまぁ掴めたり掴めなかったりするがここでみずやんがいつも通り4弦開放を鳴らした瞬間思わず見てしまった。出ている音が笑ってしまうくらいピュアな鳴りで響ききっていてこれはイケると。出せる限界、てっぺんがなかったので一瞬よからぬことをよぎったけどなんとか押さえ込んでリハを終えた。もう汗だくだった。楽しすぎて。

予定より1時間も早くタイテを進めてくれたvanvanのおかげで写ルンですを買いに行く時間ができた。自前のフィルムカメラが途中の寿司屋で巻き取りが上手くいかず、切れてしまったので...さらば約1年半の思い出たちよ。Hue's4人で再び車に乗り込みカメラのキタムラとコンビニ(舜平の飯)へ。途中、裕人から電話がかかってきて何事かと思えばフライヤー記載のオープン時間が30分早かった がタイテ通りにいくとのこと。俺らも気付いてなかった。申し訳ない。vanvanに戻るとチラホラ人が集まってきてた。楽屋では、思い出せないくらいにどうでもいい話や今年mabutaとやる面白いことの話をしていた。そんなこんなで、俺はライブ前特有の”よしやるぞ”感が1mmも湧いてこず、引き締めてやれんのかが少し不安だった。金沢の街並みがあまりに優雅で、時の流れも知ってる速度な上にmabutaがいるもんで。なんとか手に入れたカメラをバシバシとしながら煙草をしこたま吸いながらであっという間にイルが始まった。

静岡の時も思ったが、近畿圏や関東以外の土地でやっているバンドは絶対に有り得ない人たちの組み合わせや持つ楽器ブランドの共通性のなさが当たり前に存在していて良いなって思える。イルを見ていると段々と無事ソワソワしてきたのでライブの準備に入った。

ブチ抜けている自覚を持ちながらやれている日は体感10分ぐらいで終わってしまうことがほとんど。でもこの日は1時間半程やっている気がした。途中根來真嗣に時間いけてる?と聴いたくらいには。外音を感じながらも中音の心地よさに身を委ねながら音をオールや手で漕いでいる感覚。全てにおいて今まで体感したことのないものだった。あらゆることが起因しているとは思うのだけれど、ひとつ確かなことはフロア下手側の壁/ダクト上に書かれていたあるものが俺にはお守りでしかなかった。これがとーっても大きかった。不思議な時間の流れ方をしていた。終わってからは頭がぼーっとしていた。その意識のままで見るmabutaは夢の中同然で、真夜中ブンブン言わせている走り屋たちの気持ちが少しわかった気がした。彼らがやっている間、心地良い風がずーっと吹いていた。俺が聴きたかったBGMも聴けた。Hue'sとは違って体感5分程で終わってしまったよ。

nanoの日に続いてまた尊い時間が終わってしまった。次を作ればいいだけの話なんだけど。打ち上げは酔っ払ったみずやんとドシラフ舜平のやり取りがあまりにおもしろすぎたり、会うたび謝りあう龍と裕人で今回は龍の回だったりでいつも通りって感じだった。俺たちの打ち上げにはもうこれ以上もこれ以下もない。それで良いって思えることはmabutaとHue'sの関係だからこそ。日付が変わるあたりに解散。いなくなったみずやんを探して俺たちは車に乗り込み帰路。遊びきって疲れ果てたので京都まで俺は爆睡根來爆走。6時過ぎには帰宅。また必ずいかなくちゃならんvanvanV4、mabutaほんとにありがとう。

 

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これがずっと俺の全て

あまりに高い位置にあったので舜平の肩に立って本気の組体操スタイルによりなんとか収めることができた。必死すぎる俺と舜平の様子を見て「友達すぎるやろ!!」とシャッターを切ってくれたみずやんが爆笑していた。そりゃ友達やからな。


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こんなに被ることある?この2人の横でギター弾いたことあるのは唯一私だけ。それ結構誇り。


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松本舜平は喉仏がない(楽屋トークで爆笑した)

 

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ここにいた


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切れたフィルム

 

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和泉大宮の匂い / 銀色の地

11日はnanoでライブだった。アフターアワーズ、ULTRA CUB、FATE BOXによるバンドブームツアー。去年始まってからずーっと「いつ呼んでくれます???」と圧をかけながらも心底羨ましくて最高なイベントやな〜と嫉妬し続けてたので出れて良かったそれに尽きる。あまりに楽しみすぎてかつてないレベルの寝坊をかまし俺が決めた集合時間に起床。ひゅメンへ謝罪の連絡をし大慌てで十三へ。ライブの日の段取りは基本的に俺が組んでおり、誰に何があってもリハには間に合うように組み立てている。これに安心しすぎて自分でミスる。これよくありまくる...。龍が聴きたいというのでポルノグラフィティ爆音で、運転席で盛大に水をぶちまけながらもnano着。最近は自分達の出してる音がなぜこうなっているのか/何が足りなくて必要なのかが1発合わせばわかるので一瞬でリハ終了。常々こうありたい。諸々の準備を終えてようやく一息つきに楽屋に行くと主催の彼らがワイワイやっていて「デイビットギルモアが〜」「1番好きなアルバムはラバーソウルやねんな〜」と聴こえてくる内容がもうこの日を表しきっていて首という首を突っ込むのを我慢して、というかなぜか異常に嬉しくて俺はヘラヘラ笑うだけをした。タミハルくんとボブのトークには思わずいっちまったが。その後も絶えず楽屋に現れるのは当たり前だがもうながーい付き合いの人たちしかいなくて不思議だった。

こういう日にトップで出ると、あまりに柔らかく腰の砕けたライブをしてしまいがちな我々だったが流石にキメてやった。セットリストの流れもプレイも完璧だった自負がある。音に関してはもちろんのこと、空気もどうにかできるようになってきたかもしれない。音が跳ね返りまくる広々としたハコが好きなのはもちろんのこと、nanoみたいなスケール感にしかない音の生々しさも最高。気持ちよかった。散々言い続けてるめっちゃ良い新曲を顔見知り達に届けることができたのも良かった。前回の記事で書いた"あの曲にあの頃の空気を引っ張ってくる"も我ながらかなり痺れた。そういえばこうだった!けど今ならこうすればもっと気持ちいいよな?もあったので伸びしろまだまだあるよ。お楽しみに。

Hue'sが終わってもまだ昼下がりって感じだったのでそれも良かったな。凄まじい速度で1日は終わったけれど。blondy陸/大地、FATEカズ/よこせ、グランパなかじに関しては高校の時から一緒に遊んできたのですげー不思議な気持ちだった。翌日たかのりくが「アビーミュージックスタジオで遊んでたアレそのものだった」みたいなツイートしてて腑に落ちたよな。ごく一部の、大阪の端くれ出身の俺たちだけが知っている空気/共通言語ってそれやったかーと。そんな日をつくってくれた3バンドには多大なる尊敬とヤラれたの念を送っておきます。弾き語りのみっちーさんとロケットボーイズは瞬間的疲労により一切見れなかったので次機会あれば是非とも見させていただきます。無念。そこ以外はガッツリとどれも見れたしぶち上がった。特筆すべきはアフターアワーズ。てっぺいくんは会うたび気を遣ってかあちらから色んな話をしてくれて飽きないし気が楽だしで頼り甲斐がある良いにいちゃん。ショーくんは俺よりも実姉が仲良くてそれがなんか面白くてそういう話をよくするし最近上がってたインタビューが読み応えありすぎてその後すぐこれで会えて良かったしタミハルくんはギター弾きのLINEグループで時たま情報交換するしスタジオも一度一緒に入ったしで各々は交流があったもののしっかりとした対バンは3年半?4年ぶりだったと思う。そんな彼らのライブは誰もがやりたくてやれないような、俺の思うまっすぐなロケンローステージで背筋が伸びた。歌の力、ビートの強度、攻めと守りのバランスが完璧すぎるギター。スリーピースの真骨頂の塊で、俺は俺が思っている以上にアフターアワーズのことが好きだった。the seadaysblondyULTRA CUBFATE BOXグランパなかじのことは知りすぎているので、毎度ちゃんと超えてくるから大好きではあるがアフターアワーズは温めに温めた結果のこの日だったので度肝を抜かれた。またすぐにでも、これからはいっぱいやりたいですと流石に伝えさせてもらった。あと書くとすればFATE BOXのステージは泣けちゃったな。お互いに尖り尽くしていた時期から知っているからか、カズのあんなに自由で外に拓いた立ち振る舞いを見てしまったらクるものありましたわ。ずっと内を向いていたわけではないと思うけどな。嬉しかったよ。ULTRA CUBは最後の最後であれをやれるのはできすぎてるよ。カーミくんが仕切りに「いっぱい練習して頑張る。」と言っていたのが妙にしっくりきた。ごくシンプルで当たり前なこと、口にするの大事よな。こーたくんのギターはnanoの壁を反射しまくっててし、あっぱれとしか言いようがない。そんな隅々まで隙のない1日でした。顔合わせはなけりゃ半分くらいは転換リハの日であんなに引き締まりながらも良いテンションを保ち続けれるイベントって中々ないと思う。それだけ主宰3バンドの意志の強さというか音楽を愛する熱意が凄まじいってことでしかないよな。刺激はもちろんのこと少しばかりショックなほどに綺麗だった。

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帝王みたいなこーたくん、おそらく酔ってて珍しく可愛い出口くん、ご満悦なおれ。


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本当に素晴らしかったアフターアワーズ


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ボード近影


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オープン前の愛おしい2人

 

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日付変わって明日はHue's初の石川県 金沢でライブ。mabutaのツアー。mabutaには数えきれないほど助けられてるし連れてってもらってばかりなのでいつになったら全部返せるのか と果てしなくなるばかり。密度や年数が全てではないけれど、mabutaはどうしても特別視してしまう。だからこそ愛おしいし悔しいしやるせない気持ちもこればかりは腐るほど感じてきた。そんな彼らにまた呼んでもらってvanvanV4へ行くよ。舜平曰く日本で1番音が良いとかどうとか。やったことないハコは事前に諸々調べておいて、具合のいいライブ映像が上がってたら参考にもする。その過程でvanvanV4には俺がずっと後を辿ってるバンドの軌跡が残ってることが判明した。知った瞬間少し泣いてしまった。そんな場所にmabutaに連れていってもらうってだけで、まだ行ってないけど十分すぎる価値がすでに生まれてるんでしっかりやりてー限りです。あいつらにも俺らの良い新曲を余すことなく届けたい。会うのはANIMAぶりか。アレって3月?4月?どれだけ長いこと会ってなくても、よく会ってても毎回同じテンションで会える数少ないただの友人。今となれば一見する音楽的共通項は少なくなったように思うけど、こんなにも全てにおいて他人事に思えないバンドは後にも先にもないことでしょう。俺はBGMが聴きたいぜ。

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肯定すべし過去の己

スタジオ練を夕方にすると飲みすぎる。

明日は京都nanoでバンドブームツアーHue'sトップバッター。色んな人に「最近のセトリいいな。」と褒められる。ライブを見てない人からそう言ってもらえるのはありがたい限り。セットリストだけ見て想像膨らませるの広げるの、いい。音と歌とセットリストがいいのは4人の精神性と曲そのものが完全にリンクしているから、そりゃそうです。いつだってそうありたい。プレイしてる人じゃなくてその"曲"自体が1番すごい。

頻度が減ったある曲をいじくってた。ちょっと躓いたけど答えは簡単なことだった。人と曲が過ごしてきた時間を越えるのは本当に難しいと常々思っている。その素晴らしさに1人電車で涙することもある。越えられないあの頃の自分達というのがなくなってきた。曲の持つエネルギーが違和感でしかないことももちろんあるけど今はできるだけ委ねて、重ね合わせる。ボードから外したビッグマフをいつのまにか龍が繋いで、伸び悩む過去曲をやってみたら全部ハマった。いつだって野心を呼び覚ましてくれるのはビッグマフだ。ということで龍の元にマフが舞い戻ってきました。アンニュイでノスタルジックな雰囲気強めになってたあの曲がかつてのテンションにすこーしだけ戻った。それで俺たちの心の動き方はすごーく変わったので見てくれる人たちにもそれが届けばいいな。やってる側の心が動いてること、これはとても大事なこと。そして何度も言うが新曲がめちゃくちゃいい。もちろんナノでもやる。

スタジオが終わってから龍の忘れ物取りに何故か俺と龍が同行してファイヤーループへ。気がつけば龍もみずやんもおらず、俺と足立さんだけがループにいた。外は大雨で靴とジーパンが2秒で終わる。歩いて帰る試みをおよそ10分で打ち砕かれタクシー乗車そんな日だった。まぁ安井くんに会えたしビッグマフも帰ってきたからおっけー。

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しばらく聴いてなかった音源に手を伸ばすきっかけは日々の色んなところに散らばってる。タイミングが合ったらやっと聴く。この前の静岡の帰り、今にも月に吸い込まれそうなみずやんとNEVER END ROLLの話をしてた。そういえば全然聴かなくなったので翌日CDで聴いてみたら想像以上に青くてピュアでキラキラしていて、もうそのバンドを知る人に会う度すすめている。当時は気づけなかった煌めきの正体が今はスルスル紐解けるので聴いてて楽しい。時間さえあれば常に何かしら聴くことができている最近はビートルズをちゃんとさらっておこうタイム。存在を知らなかったPaperback Writerという曲がかなりいい。ロケンロー。ミックス、マスター違いとテイク違いが数多く存在してるビートルズは掘り甲斐ありすぎて果てしない。気づくの遅かったな〜と思う半分、この年だからこそよかったんかもな〜がもう半分。MONO盤を可能な限り大きな音で再生すると簡単にぶっ飛べます。オススメ。