遠のく全てに

モラトリアム

そういえば俺らってこういうイベント打つ時"THE後輩!"みたいなバンド誘ったことないよな となり、居たら面白いし居そう で真っ先に思い浮かんだモラトリアムに連絡したら10分後には「出ます!」と返信が来た。確か2020年の暮れ、GROWLYの年末イベントに出た時にOA弾き語りとして響太郎がいた。「ハイボールで熱狂〜」と歌っていたことしか内容は覚えていない。打ち上げでは安齋さん紹介のもと、Hue'sがめちゃくちゃ好きでと照れながら打ち明けてくれたと思いきや急に「終電なんで帰ります!」と足早に去っていったことが懐かしい。今となっては全然帰らない彼がいつのまにかモラトリアムというバンドを組み、1曲10分をゆうに超える音楽を今やっていることが頭の中で結びつかない...ハイボールで熱狂はどこへ...。そういえばどうして今の形になったのか聞いたことなかったな。きっと好きな音楽とか惹かれるものがかなり近いのは言わずもがな、ではあるが。

少し前にMETROで開催されたexperienc(e)のオールナイトイベントで彼らはクロージングアクト。朝4時に暗く狭いライブハウスで見るモラトリアムは眩しすぎる蜃気楼みたいでおもしろかったけど、ライブが終わってから響太郎は苛立っていた。「全然ダメでしたわ。もっとやれましたわ。」と一言。半ギレで機材を片す彼ら これもまた妙におもしろかったのである。ソーコアではどのようなライブを繰り広げるのか。しかしこの日はダブルヘッダーということで出番が終わればすぐさま出るとのこと。慌ただしい中ありがとう。

 

Transit My Youth

Transitとの近い記憶で言えばHz-adoptリリースツアーで共に岡山へ行ってくれたことではあるが、印象深い日はなんと幕張メッセ。あまりにも過去すぎる栄光"出れんのサマソニ"に出れた時のこと。Hue'sの出番前だか後だかに袖でソワソワしてると「久しぶりやな〜こんなとこで会うとはな〜」振り返るとドラムのこやまさんがいた。こやまさんは俺やみずやんが高校の頃からの先輩であり、根來真嗣に限っては地元の同級生。そんな人と幕張の袖で会うなんて思ってもいなかった。その日以外は特に絡みがなかったがいつの間にかVo/Gtモリノくんとはよくライブハウスで遭遇し適当に酒を飲んだりする仲になったり。そういえば、大昔に奈良NEVERLANDでやったときにTransitがいた気がする。その日は俺がライブの最後フロアへギターを投げてつけて精算の時に「あれ、怒ってた?」と店長に聞かれ「いや別に、なんか、おもんないなぁと思って...。」「ばりキレてるやん。」その後全員5秒沈黙という地獄みたいな空気を生み出してしまった日...。なのでTransitの記憶はもうないが...。

底抜けに明るくカラッとしている彼らの人柄がライブや音楽にそのまま反映されていて、時より見えてくるピロウズチックな瞬間にいいな〜と思わされる次第。世間的にはパワーポップのバンドという認識になってるかもしれないがそうじゃない部分が俺は好き。先輩/兄貴枠。

 

mogari

これまたコロナ頃に生まれたバンドだと思う。龍と2人でFireloopの年末イベントに出た時に初めてみた。Vo/Gtりんちゃんは度々色んなハコで見かけてバンドの存在自体はもちろん知ってはいたものの見る機会が中々無かった。ようやく見れたライブはバキバキに鋭くて、ストロボ照明がよく炸裂するバンドやなぁでもなんかメロのリズムとコード感がいいなぁって感覚だけが残っていた。その日は打ち上げでも大して話さずであった。いつの日か下北でリュウノヒラ氏が決行したChazawa Street、Hue'sはその日バキバキにパンキッシュなセトリを組み見事爽快そのものの30分をやり切り大汗でなんとか搬出し狭すぎる喫煙所へ煙草吸いに逃げ込むののライターが無かった。「誰かライター貸して...」と呟くと食い気味でサッと渡してくれたのはりんちゃんだった。「今日のHue'sやばかったっすわかなり喰らいました...。」と絶句なのか絶賛なのか分からない表情をしていた。その後すぐにライブのオファーもくれて、そっからバンド同士の距離が一気に縮まったように思う。初めて見た時とはもうまるで違っていて穏やかさと優しさ、なんせ歌が真っ先に飛んでくる。最近はメンバーの脱退とかもあったりしたけど「もう、音楽をやりたいんすよねぇ。」とニンマリしながら話してくれたので不安はきっと一切ないことでしょう。結構好きですmogari。後輩!というよりかわいい友達枠。

 

blondy

このバンドについて何かを書くとなると果てしなくなる。まずVo/Gtの陸とDr大地と俺の3人でかつてthe cabs丸パクリみたいなバンドをやっていたことがある。ほんの一瞬ではあるが。その時は高野がVo/ba。元々彼はベーシストで、何故か共に9mmのコピバンでも一度ライブをしたことがあり、もう付き合いは10年近く。そのcabsの丸パクリバンドを終えてからは高野大地は2人セットで他のバンドをやっていたが突如としてベースをギターに変え歌う人になり、大地は変わらずドラムとして。「自分で曲作って歌った方が早いわ!」と始めた当初言ってたけど、思ったとしてもそれを行動に移しバンドを組みライブをしてCDを作るに至るまでの人は中々いないと思う。高野のマジっぷりと言うか、好きなものに対しての追求心や美学へ真っ当に奉仕していく様はいつも見ていて痺れるしすごい。何人かのサポートベースを経てあかねが加入。今となってはもうblondyはおろか、俺の人生に最初から居たような存在になっている。性別を超えてくる人には心惹かれるものがあり、ベーシストではあまり見たことないがあかねはそれに当てはまる。その上、女性的な"らしさ"みたいな部分も自らコントロールしながらやってる器用っぷりは本当にずるいやつやなぁと思うばかり。今は更にギターで戎がいる。サポートなのかは不明。初の4人体制でのライブはHue'sで同席することができドキドキしながら見た時のことはいまだに簡単に思い出せる。次々と建物を薙ぎ倒してくるゴジラの如くえびちゃんのギターがバカデカく爆笑してしまった。ハコのマーシャルであんなにでかい音出せるんやという驚きもあった。あれからどれくらいの期間が経ったか分からないが、今のblondyはどんどん透き通っていってるしバランスを取ってる部分とそうじゃない部分の対比が完璧で、あとアレンジや高野の歌がとにかく丁寧。手間ひまかけた豪勢な和食のようで本当に素晴らしい。空気を常々締めながらも長滝までぶっ飛ばしてほしい。俺の人生の側にずっと居てほしい枠。

 

FATE BOX

blondyに続き、このバンドも書き出すとえらいことになる。Hue's単位で言えばblondyよりも付き合いが長い。お客さんが0人の日を共に過ごした時のこと、俺らは尖りに尖り尽くしていたので全曲暗く重いセットリストで通したのに対してFATE BOXはJAMとClashを同時にやってるかの如く隙のなく音場の広いパンクをかましていて非常に痺れた。そういうスタイルでやっている時もあれば「これ誰がついていける?」って思ってしまうほどのロックオペラに突如として手を出してることもあった。最近はライブを見れてないけれどどうやらまたパンキッシュなゾーンに入ってるらしい。Vo/Gtカズとも高校時代からの知り合いではあるがあんまり深く話すことはなかった。色んなことを話すきっかけがいくつかあっては、1つはコロナが始まった2020年辺りに偶然住んでる町が同じになり、やることもやれることも非常に少なかったので2人でよく喫茶店に行ったり適当に飲んだりしてた。あと謎にカズの実家にお邪魔させてもらったこともある。想像を絶する程の山奥で、町というか村を深夜にぐるっと一周しながら煙草吸って珈琲飲みながら生まれ育った地を紹介してくれた。それが妙に嬉しかったしその時の俺の心に非常に良い作用をもたらせてくれて、コロナで詰まりに詰まっていた俺の脳がスルスルと働くようになった。あの辺りから常々FATE BOXが俺の頭の中にいるようになった気がする。あともう1つは今後しっかり書く機会があるのでその時にする。ずっといたDr かんたが脱退し、今はけいととボブが加入しフォーピースへ。カズの自由度が確実に上がっていってるのが目に見えて分かる。バンドの音をDriveさせるには右手が強いやつが絶対に必要で、カズもボブもそれに非常に長けている。コードをジャーンと鳴らしてそれだけでかっこいい 随分と減ってしまった気がするけどFATE BOXはまさにそう。頼れる最高のやつら。クラスメイト枠。


the seadays

腐れ縁、ライバル、先輩、友達、どの言葉もしっくりこない。俺たちを幾度となくハッとさせてくれた偉大なバンドである。シーデイズの曲たちにはどれもその時の匂いや空気が染み込みすぎていて胸がキュッとなる。Fireloop、SOCORE FACTORY、扇町para-dice、京都nano、GROWLY、VOX Hall...色んなとこで一緒にやりまくってきた。唯一の同志というのが相応しいのかもしれない。どの曲も当たり前にシーデイズらしさが滲み出ているが実はアレンジパターンも多く凝っていて目を張るものがある。ここ数年Hue'sが曲を作る上で最も影響を受けているのは内緒の話。人のブチ上げ方や踊らせ方を心得すぎだ彼らは。我々がズタズタでもう無理なんじゃないかとなったときはおもしろ優しく介抱してくれたし、雑に投げまくるボケには何一つ取りこぼすことなく鋭角に突っ込んでくれるし、ライブを見るたびあり得ないくらい具体的に的確に褒めちぎってくれる。こんなに全部をしてくれるバンドは中々ない。そして4人ともあまりにも社交的すぎる...。いつかトリプルギター編成で活動したくなったら言ってください。ギター、弾かせてください。

 

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