ダイブ イン

10日

サブで持っていくつもりだったブルースブレイカーの回収をすっかり忘れてしまっていたので予定より2時間早く起きて尾崎まで。時刻は4時。なくてもきっと大丈夫やろうけど、今回のレコスタにはベースアンプだけが常設である。アンプとドラムセットを持ってる俺たちの強みである。ひとまずBBを車に積み込んでから、バナナ食べて実家の麦茶飲んで煙草吸ってすぐ出発。6:50寺田町でみずやんを拾ってその後龍を迎えに行ってからは高速乗って岡山まで真っ直ぐと。根來は大阪に居ないしドラムセットの兼ね合いもあるので単独で向かってもらった。とはいえ岡山は本当に近い。大阪から和歌山へ行くくらいの距離感である。走りながら何聴いてたっけな。久々に間違いないCDたちを持ち出せて嬉しかったのだがすっかり忘れてしまった。9mmだけは4枚くらい持っていった。道中みずやんとヘラヘラだらだら話しながら、龍はぐっすりと眠りながら。高速の乗り換えミスを1回、岡山に降り立ってから筋を見失うを2回ほどやらかしてようやく辿り着いたduskline。3年振り?もうちょっと?懐かしくも真新しさもまるでなくてホッとしたという変な気持ち。少し早めに着いていた根來はドラムをセッティングしており、それを追うようにマイクを立てていく南石さん。心の底からの「ご無沙汰しております。」が勝手に口から飛び出し何故かすごく嬉しかった。俺はかなり南石さんに会いたかったのかもしれない。そもそもこの人に録ってもらいたいと思い続けていたから当たり前かそれは。俺たちも機材を入れていくかと外に出ると大雨。通り雨だったが。誰も急いでいるわけではなかったと思うが、凄まじい速度で搬入→セッティング→音出しと進んでいった。みんな録りたくてしょうがなかったのだろうきっと。俺はもうずっとそうだった。南石さんとの再会に喜んでる間もなくもう予定より1時間程早く録りにかかったはず。諸々の確認をして、じゃあ煙草吸ったらやりまっかと皆で一服。2年半程Hue'sを離れていたマネージャーもこの日から戻ってきてくれて、なんだか妙にしっくりきたのを覚えている。随分と雰囲気が変わったような気がする南石さんにそれを問うと コロナが始まった時に人生初の坊主にして、それ以来伸ばしっぱなし言っていた。この日の1笑い目。最高な人。もう全てにおいてダメになる予感が一切しなかったのでここからはズバズバと進めることができた。珍しく一旦煙草を懇願するみずやんを「あと2テイクやったら!」とまたまた珍しく俺が引き止めながら。この日で3曲のオケを録り終えてその最中については結構な時間の記憶がない。体感は90分程だったが想像以上にヘトヘトになった。明日ももちろんやりまくるので21時半頃解散し龍が予約してくれた宿へ。ひたすらにただの一軒家でありおばあちゃん家そのもの。その具合にリアクションを取りまくる体力すらなかった俺たちは荷物を置いてから晩飯を買いに近くのラムーまで歩いていた。湯張ってんの忘れてた!と蛇口締めに龍が走って戻っていった。適当ですごく安い総菜と酒少しを買って我々も戻った。時刻は23時頃、流石にヘトヘトで会話すらままならないHue'sは各々飯を食い酒を飲みこの日はおしまい。何故か1人なりたかったので俺は1階の和室で横になった。2階の寝室から聴こえてくる龍の歌を聴きながら。

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11日

起床。根來は起きていた。まだ風呂に入ってなかったのでサッとシャワー浴びて気持ちいいの良い縁側で煙草を吸っておはよう。でかい庭もあって心は安らぐ。しっかり8時間ほど寝た俺たちは無事フルパワー。9時半 みずやんと龍は宿にあったフリーチャリに乗ってdusklineへ。俺と根來は龍のMIDI鍵を裸で持ち徒歩で。annちゃんは朝ごはんを買ってきてくれていた。いつも非常に助かります。珈琲飲んで煙草吸って一息ついたらやりましょう。とりあえず昨日の続きであるギター重ねを2テイク試し終わらせてオケ録りは残り1曲。スムーズ過ぎる運び。この日南石さんは背中にデカデカと"Guitar Wolf"と書かれたTシャツを着ていて「それやばいですね。」と思わず突っ込んだら「そっちのTシャツも、いいねやばいね。」と言ってくれた。Infest The Rats' Nest...あまりの多作っぷりに追いつけていないのは自分だけかと思っていたが南石さんもそうだと言っていて安心した。無理よあんな速度。最後の1曲に取り掛かる前例の如く煙草を吸っていると突然騒ぐみずやん。指差すを方を見てみるとトカゲがいた。そういう生き物が可愛いのは大前提として当たり前 だがあまりにも縁起が良過ぎた。これから録る曲は完全にそういう曲だったのだ。捕まえてブースの中を這っていて欲しかったが凄まじい素早さで逃げてしまった。見れただけでも幸運を感じることができた。調子が右肩上がりな俺たちはこの1曲もヘラヘラしながら重ねも含め30分以内に終わらすことができたはず。グレッチを高く構えた龍とSGを顎下ぐらいに構えた俺は上裸でみずやんは何故かジーパンを脱ぎ(誰も突っ込まなかった)、根来真嗣はそのままの姿だった。これでやったテイクはもちろん良かったがまだヤレる気がしたので最後に電気を全て切ってやらせてもらった。結果それが採用。俺らは曲に全てを捧げただけである。これ以上の詳細はまたみんなが聴けるようになってから果てしなく書こうと思う。

オケを全て無事録り終えて昼食を軽く摂ってからはもう龍の声を残すのみ。今までのRECにおける歌入れを全て総括し、踏まえ、粗を潰し切った龍のこなしっぷりは素晴らしかった。全員が見えていると本当に話がはやい。歌入れも順調にヘラヘラというか爆笑しながら進んでいきあっという間に日が暮れた。明日が終われば帰らねばなので時間に余裕がある今日のうちに打ち合わせておきましょうとチームHue'sで晩飯へ。I LOVE YOUを録った時に訪れた焼肉屋がどうしても忘れられず、記憶とGoogleを振り絞ってくれたannちゃんが無事店を特定しタクシー乗り込み岡山駅の方へ。車のキャパシティ的に4人しか乗れないのでみずやんにはチャリを漕いで1人向かってもらった。チャリ漕いでたら1日終わったと彼は言ってた。それくらいチャリデイを満喫されていた。

店に着。昨日dusklineに再び訪れたときとまったく同じ気持ちになって、我々はみずやんを待たず一度乾杯。改めてまたよろしくお願いしますannちゃん会&今後の予定どないしましょ。俺が普段本能がままに話している内容を一切の語弊なく根來が全て伝えてくれたのでもうヘラヘラしながらひたすらビール飲むをした。話すことはもちろんちゃんと話すが。ひたすら肉を焼き続けてくれるちゃりやん。今の俺たちのテンション感を凌駕するレベルでやる気に満ち溢れているannちゃん。そしてこの日も一滴も飲まない龍に少し恐怖を感じながらもよく飲みよく食べた。お店のおばちゃんは俺たちのことを覚えてくれていたみたいで、annちゃんが灰皿を持って席に戻ってきた時にわざわざ声をかけてくれた。前回ここにきた時のHue'sはズタズタだった。St.Angerを出した時のメタリカばりに。メンバーは変わったけど、ようやく良い気持ちでやれるようになった今またここにこれて胸がいっぱいになった。本当に。チャリを誰が漕いで帰るかを言いながらも結局4人仲良く歩いて宿まで戻ることに。どんぐらいの距離やっけ?と思い今GoogleMapで調べてみると3.5kmの45分と出た。たまげた。結構酔ってたし風気持ちよかったしな〜。この後も俺とみずやんはコンビニに酒を買いに行きまだ飲んだ。そして俺がひたすら酔っ払い続けて余計なお世話な仲良いバンドの心配話しを小1時間してリビングの心地良過ぎるソファで寝落ちた。みずやんが電気を消してくれたことだけは覚えている。本当にレコーディングしにきているのか...??と書いていて思う。

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12日

二日酔い...というかまだ全然酔っ払ってる状態で7時過ぎに起床。そんなに飲んだっけな〜と思いながら縁側でぼーっとしてると宿主の方が隣の家から出てきた。やっと顔を合わせれた。「おはようございます。すごくいい宿ですね。お世話になっております。ありがとうございます。」と声をかけると色々話してくれた。ゆっくり、自由にしていってくださいねと めちゃくちゃ気のいいおとん代表な顔して仕事へと向かわれた。岡山はおおらかで優しい人しかいないのか?とまだ酔った頭で考えながら、送られてきていた昨日までのラフミックスを聴いていると何故だか涙が止まらなくなり煙草を一気に3本くらい吸ってしまう。この訳は自分の中だけに留めておく。昨晩ビールとともに買っておいた珈琲飲んで風呂入ってあがると根來が起きてきた。訳のわからん姿を見せず済んでホッとする危なかった。ゆっくり荷物を纏めているといつのまにか抜け切ったアルコール。気持ち悪さはない。最近どうも飲めるようになってきてしまったので楽しいが何故今になって。今日で終わる寂しさに包まれながらも宿を出た。龍は感謝の言葉を紙に残していた気がする。根來と龍は徒歩、みずやんと俺は車でラムー経由しdusklineへ。飲み過ぎた翌日は暴食をしたくなるのでバカパンを2個と牛乳を買った。着いてから、annちゃんが買ってくれていたおにぎりやサンドイッチも食べた。ひたすら食べたり珈琲飲みまくったりしているうちに龍の歌入れは詰まることなく無事終了。細かい描写はここぞの時のため置いておきます。好きでやってることの記憶力だけは私凄まじいので。やること全て終わってからはB-15Sにギターを繋いで弾かせてもらったり、南石さん私物のレコードを大きい音で聴かせてもらった。ハーゲンダッツ食いながら。"レコスタの環境で聴きたい"レコードが無数にありこりゃキリねえなと流石に自制心が効いたので3枚に絞った。Led Zeppeline - II、Phoebe Bridgers - Stanger in the Alps、Radiohead - OK Computerを数曲ずつ。こんなに変な帯域でパンも謎なのか ギターの音は潰れてるけどベースのローレンジ凄まじい シェイカーマジで速い。掻い摘んだ印象。見えるものがたくさんあった。俺の趣味全開な時間にお付き合いいただいた南石さんメンバーannちゃんさんきゅー。大満足でしたわ。最後に皆で一服して、南石さんにまたきますと伝え我々は車に乗り込み大阪に帰る。高速に乗る手前龍が「あ〜やらかした。」と絶望に見舞われたトーンで言った。しっかりとdusklineに財布を忘れていた。目の前のことにまっすぐ夢中になると自分が持ってきたものなんかちっぽけで、存在ごと忘れてしまうよな。フジに初めて行った時新潟のガソスタに給油口キャップを置き去りにしたまま走り続けた時にそう思った。帰りたくなかったんやな〜楽しかったもんな〜。

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