直前の手放し

7日

レコーディング準備も佳境。あとは何をすればいいかわからなくなってきたので一度CEDARWOODに行き意識を飛ばす。靴(なんとフルオーダー)の磨き方/手入れ方法をまだ聞いてなかったので教えてもらいに。アーサーラッセルとCANをディスクユニオンで買って近くのライフでは6缶パックを買って言われていた時間に店着。19時って閉店時間やけどええのかなーと思っていたが、俺は完全に舐めていた。侮っていた。靴を磨く行為を。

19時半ぐらいから準備を始めて終わったのは22時半とか。マジ果てしねーけどおもしれー嫌いじゃないなあこういう作業〜と静まり返った店内2人でひたすら靴を磨き続ける時間は結構?かなり没頭できてよかった。甲來さんとは徐々に距離や空気が近づいていってはいるもののそんなに深ーく話すこともあまりなかったのでちょうど良い機会だった。やばいっすねー3時間もやってましたねーとりあえず飲みにいきます?とよくInstagramのストーリーで見る場に連れて行ってもらった。とはいえ終電まで1時間程だったのでスパッとやりますかと。わざわざ終電乗り換えのスクショを送ってくれていた甲來さんだったが、それを全てぶち壊すのも甲來さんだった。今思うとめちゃくちゃ面白い。時間ですね!ちょっとまたゆっくりやりましょう。楽しかったです!と店前で1分足らずで煙草を吸い切り終電ダッシュしようとしたが店の中から甲來さんの顔見知りがゾクゾクと出てきて「え?飲むでしょ?」と言わんばかりに場が荒れ始め、彼は容易く飲み込まれ、断腸の思いでさらばを試みるも「あきらくん!今日は、やりましょう...!」と説得されまくり俺は覚悟を決め煙草に火をつけて5分ぐらいかけて吸った。iPhoneに残された写真を見る限りAM3時過ぎまで飲んでいたみたい。記憶全飛びまではいかないが、ぼちぼちないような...。最後の店を出てから甲來さんと歩いた数分で芸術とはなんたるや という(2人ともそれは店でしろよ)脳がまた痺れる類の話をしたのはなんとなく覚えてる。あとタクシーの運ちゃんが御堂筋を降りていってる時にあの側道工事のワケを教えてくれた。全て歩行者道路にするみたいで、すなわち大量に植えられたイチョウの木を切り落とす話が濃厚らしい。世の中難しい。

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翌日というか、家に着いて6時間後にはメンバー4人とスタッフたちでミーティングだったが俺はしっかりと開始時間の10時に起きた。オンラインで行うことに過去最大の恩恵を受け起きてギターだけ持ってすぐ家を出た。気持ち悪さはあんまりないがまだ普通に酔っ払っていた。

 

 

8日

オンラインで参加しながら移動し十三まで。スタジオ開始時間にはなんとか間に合い録る直前の最終確認を進めていく。各曲細かいアレンジを3パターンずつほど用意して、あと心配な点は...??ない気がする。各々完璧に準備が整ったのか、無我の境地に入ったのか、諦めたのか。この時どれかは分からんかったが全能と夢想に包まれていたことだけは確かだ。あ、そういえば龍のグレッチだけはぶっ壊れたままだったので工房に持っていかなきゃ。でもその前にこーたくんに呼ばれたのでそちらを先に行くことにした。

アメ村まで降りて超空腹にバーキンぶち込み三角公園でULTRA CUBと合流。目当てのモノが2~3個あると言うこーたくんに着いていき俺はヘラヘラしながらそれはどうでこうでと感想を言いまくるだけの人をやっていた。ブランドはもちろん違うが載ってるスピーカーは同じ。マウントのされ方は違ったっけ。それらをザッと全て確認できることなんか中々無いので助かります!という気持ちになった。こーたくんはひたすらに感謝してくれて、ビールまで頂いてしまった。ので彼らのローディーというヘラヘラしながら機材運んだりこーたくんのnewキャビとBRONZEの鳴りの具合を定めていく遊びをさせてもらった。かーみくんもやれと言ってくれたので。

たまたま見れたFATE BOXが素晴らしいライブをしていた。これぞ全能的といった。Hue'sとFATE BOXの対バンが増え始めた1番最初にVOX Hallでお客さんがゼロ(本当)の日があり、これはもう笑うしかねえなとなった俺たちはツイキャスライブ配信を行いHateドラマ長夢夏待あとなんか一曲という今は絶対にやらない30分をやった。それはそれで身内が結構見てくれていたみたいで爆笑してくれたし離れた地に住む友達(主に舜平)があれ良かったよ!と言ってくれた。そしてFATE BOXはブチギレでぶち抜きなライブをしていてそれに心底痺れたのだ。真っ直ぐ正真正銘のパンクを見た初めての日。その時みたいなブチ抜き具合をこの日の彼らに感じた。そしてそれを超えた煌めきと多幸感みたいなものが満ち溢れていてただただ素晴らしかった。俺は言葉を失ったけれどすぐさまカブだったので余韻はほどほどに遊びを続けた。ULTRA CUBはULTRA CUBで普段腰が砕けっぱなしなカーミくんはライブになるといつも通りバキバキにスイッチが入りエンタメとして完成され尽くしていたのが変わらず良かった。なによりも、カミムラコータ氏のNewキャビネットが吠えまくりで思わず笑っちゃったよ。アンプから出している自分の音に興奮しまた血の通いまくったサイコーなプレイ を30分間繰り返し続けていた。多くの人が彼のおかげで笑顔になれたと思う。良すぎるギターサウンドとプレイって人を笑わせることができるのか。メタル以外でも存在してるなんて。買い物に同行できて光栄だった。ゆっくりヘラヘラしている間もなく東三国へ急いだ。

レコーディング前最後の任務、グレッチを治すこと。ジャックがもう長らく馬鹿になったままで接触不安定だったのだ。持ち主である龍が弾けば音は鳴り続ける。俺が持つと不規則なトレモロがかかる。不思議でしかない...。できる限りのことは工房に持ち込んで高早さんに教えてもらいながら修理/調整をしているが流石にもう頭はクリップしていたのでグレッチに関しては全てお願いした。治してもらってる間ずっと最近のHue'sがどうとか、今日キャビを買いに行くのを着いていきどれも当たり前だが全て違ったとかそういう話をしていて、ここにずっと一顧客として通い詰めていた時のことを思い出した。高早楽器技術の工房は俺が最も愛するスーパー銭湯 平野台に並ぶほどホッと落ち着く場所であることを。今もあまり変わりないが。小1時間ほど時が止まったような気分になって工房を後にし、何聴こかなとiPhone開くとカズから「いまどこいます?」とLINEが来ていたのでアメ村に戻ることにした。三角公園まで行きしばらくしてカズボブがやってきて3人で酒買いだらだらと話した。友達と夜集まって外でだらだら話すのは大体楽しい。時間を潰しまくってる気がして。ボブも見れば見るほど拓けていっており痛快ポイントが増えてきている。2人に今日のFATEがどれだけ良かったか どれだけパンキッシュだったかを話すとカズはbecauseを全て教えてくれた。知らずに自分の中だけで想像膨らませることも大切だが本人の口から意思を知ることもすごく大切。俺はもうまんま腑に落ちた。そらあんたらが好きだわと。丸一日動き続けて流石に疲れたので1時間程話して帰宅。明日は明日で機材を回収して荷造りもせねばならん。でもまぁこれだけ疲れてるとスッと寝れるのでいい。録りの流れだけ書き起こして今日は終わりにしようと思ったけど覚醒して全然眠れなかった。まださらに詰めに詰めて、昼にスタジオで録ったデモをずっと聴いていた。何回聴いても良かった。

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9日

昼には起きて4本のギターの弦を全て張り替え、ネックとオクターブ調整にも手を出してしまい一向に終わる気配がしない。ブラストカルトの調整だけ残して車を取りに尾崎まで。転勤で川崎まで行ってる森氏が帰ってきてるとのことで、とりあえず家に呼び煙草吸いながらやつのしょーもなくてめちゃくちゃ面白い話を沢山聞いた。新大阪から新幹線で川崎まで戻ると言うので車に乗ってもらい十三でついでに機材回収も手伝ってもらった。だるいと言いながらもめちゃくちゃ運んでくれた。根はすごくいいやつ。止まることのない口から出る話はどれも臨場感あふれるおもしろさで俺はずっとNSCに入ってほしいと思い続けている。久々に会えて良かったよまぁ元気でな と新大阪まで送って俺はまた家に帰り調整の続きを。全て終えたのは21時頃だった気がする。眠ろうと布団に入るものほーんとに寝つけない。ここまでくると夢想と全能だけが俺を包んでくれていた。ブルースブレイカーは実家に忘れてしまっていたが...。