考える前に走る

最近はそんな感じで脳が少しでも凝り固まったなと思えばとにかく走るようにしている。朝早く起きて外の風あたりながら煙草吸って、マフにご飯を出したら走りに行く。いざやるまではメサブギーのキャビネットぐらい腰は重たかったが今はスペースエコーほどの軽さ。丸1日しっかりバキバキでスカスカな頭を維持して過ごせる。何事においても脳死でやれるに越したことはないと思うようになってきた。いつだったか覚えてないけど、死んじゃうじゃんかというバンドが活動を止めるにあたってメンバーが書いていたえらく長いブログに「没頭しろ。」という言葉があった。これが妙に腑に落ちて目にして以来ずっと頭の片隅にあった。それを今やっと、しっかり飲み込めるようになってきた。集中ではなくとにかく没頭。言い換えれば"ゾーン"になるのだろうか。その境地にまで達していれば頭も身体も勝手に動く。簡単にできることではないが辿りつくための労力はいくらでもやってやろうと気になってきた。無心で、没頭してやれている瞬間が1番素で在れるように。やりたくないことは絶対にやらないけれど。

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25

BINDUというカレー屋へ。今となってはコンビニと張り合えるほどの店舗数になったインド・ネパールカレー屋へ頻繁に足を運ぶきっかけになった店であり、度々諸々を確かめたくなりBINDUへ行くのだが、やはり素晴らしかった。何故だか大阪にだけ大量にある。ここのマライティッカは膝から崩れ落ちるレベルでうまいので行ってみてほしい。カレーとナンはもちろん異常なうまさ。BINDUの次はディスクユニオンへ行きイギーポップとフランクザッパのやばいジャケのライブ盤2枚を購入。どちらも様子がおかしい空気感で痺れた。中崎町駅から谷町九丁目まで行ってライブを見た。高校3年間全てを共にした当時のバンドメンバー、ベースのやつが10年ぶりにバンド/ライブをするというので流石に気になって。初々しさ満開の30分であったがやはり荒木は音もプレイもセンスがずば抜けていて10年のブランクを感じさせないほどにあの時のままだった。成長していないと言ったらそうかもしれないけれど、変に凝り固まって誰にも分からない方向に進んでいるよりかはよっぽど良い。本人が楽しそうだったのがなによりも。俺がひたすらまわり道をしながらやり続けていることを自問自答し続ける30分でもあった。

ものすごい気持ちになりながらもサイケデリックな絵の展示を見に難波まで。前日にらもがストーリーに載せていて、気になって教えてもらった。ウンラヌというサイケデリック(本質を真っ直ぐ突きまくっている)バンドをやっている人が描いていて、それすらも知らなかったけれど絵も流れている音も全てが極彩色で2022年の俺が追い求めていたものが確かにそこにあった。ヘラヘラしちゃうくらいには脳にビリビリきた。たまたま本人もいらしたので話せてよかった。ベルボトムの調達先も知れたし。そのあとは龍からストラトを回収して長くみっちりした1日を終えた。

kikagaku moyoのポスター展こそ行けばよかったなあ。

f:id:akrmuff:20230704144617j:imagef:id:akrmuff:20230704144703j:imagef:id:akrmuff:20230704221103j:image格ゲーのキャラ選択画面か?

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みずやんの引っ越しをメンバー総出で手伝う日。大体のことは用意周到に済ませておき、円滑に進めるのが上手いみずやん(1番疎かにしてそうと思われがち)だが家に着いてたまげた。片付けは想像以上に終わっておらず根来真嗣龍俺で一回笑って煙草吸ってからは急ピッチで荷物を運びまくることに。車2台を往復させまくりながらなんとか20時過ぎにはノルマを終えることができた。一息つけてから新居でこれからどういうことを仕掛けていくか(Hue'sのこと)を話して22時頃解散。思いの外身体はバキバキにならなかったが今思うと重量級の家具は全て龍と根来真嗣が率先してやってくれていたからだ。(龍は早いうちに一度帰宅していったが呼び戻すと再び現れてくれた。謎ムーブっておもしろい)

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スタジオデイ。試したいことが山ほどあったので1時間早めに着いて取り掛かるも音が出ないマーシャルアンプ。終わりを覚悟し応急処置でなんとかバンド練を済ませてから工房に駆け込む。軽度ではあったものの他の心配な点も沢山あったので高早さんに助けてもらいまくりながらなんとか全快へ。似たような造りをしたアンプを2台持っていて本当に良かった。転んでもただでは起きないを体現してくれたJMP(Jim Marshall Products)2104さんきゅー。この作業をしている間ずっと酷いゲリラ豪雨だった。不幸中の幸い。

予期せぬトラブルをなんとかこなして、急いでなんばHatchへ。チケットの整理番号はとっくに過ぎていたのでスムーズ過ぎる入場をしていざ入ったフロアではずーっとGeorge Harrisonのソロが流れていた。ビートルズはここ数年でようやく聴くようになったもののメンバーのソロ作は全く手をつけてなかったのでこういう場でジョージのソロ作が初聴き となればスーッと入ってくる。音良しノリ良しメロディ良しの、ジョージになんてこと言ってんだって感じではあると思いますが心底思った。最近すごく思う。Cream期のクラプトンはブチ抜き続けていてその上うますぎるし、ドアーズのジムモリソンは狂気が滲み出すぎではあるが歌とリズム感がすごすぎる。ジミヘンのヤバさはいまだにわからんが。

そういうことを考えながら定刻通りに始まったライブ。流石にという使命感と怖いもの見たさが同居したHELL SEEの再現ライブ。期待も斜に構えも一切することなく、マーシャルアンプのトラブルがあってくれたおかげか限りなくフラットに近い感覚で見ることができた。アルバムの曲順通りに目の前で演奏されていくHELL SEEは俺が閉じ込めまくったあらゆる思い出やその匂い空気そのものでしかなかった。そこに没頭し尽くせるほどに演奏と五十嵐隆の歌があまりに完璧すぎた。時より回っていたベースの低域も音源さながらで「良い」と思えてしまったな。少し前に復活したART-SCHOOLのライブを見にシャングリラへ行ったけれど療養明けすぎたのか、木下理樹の歌とリズムがずっとよれていて、それに合わせざるを得ない音の流れは見ていて本当に苦痛だった。そこにいてくれるだけでいい存在っていうのはもちろん大事だけど俺にとってART-SCHOOLはそれに今は値しなかった。そういうヤバさを知ってしまったが故にほんの少し「どうだろういけるか?」って気持ちはあったけれどHELL SEEはまるで違った。俺がイメージするHELL SEE像そのままで在った上に演奏は硬く一切のブレがなかった。プレイもサウンドも痺れ尽くした。ドス黒さと透き通った青白さのコントラストも完璧な作品だという新たな気づきもあった。年々綺麗になっていく(それはそれで好きではある)作品になんか足りない感があったのはドス黒さだったな。Song For Meがあんなに綺麗で流れるような青と灰の曲だとは思ってもいなかった。あとは月になってが名曲すぎるのはもちろんのこと、その後のEx.人間のギターソロが好きすぎる。最後のパレードだけに使っていた12弦の響きは驚いた。あの煌びやかな哀愁を納得。もっとうつむきながら揺れていたかった。かなり後追いになったリスナーですが、身体の一部になれててよかった確かめることができた。鈴木さんきゅーよ。脳が解けた。

 

7/3

最後の手前の調整。Fireloopを使ってのゲネプロ。先日ループへ ただただ飲みに行き足立さんとみずやんと音の話で2時間以上突破してしまいその延長に今日があった。酔った勢いで決めてしまって「まじでやるべきなのか?」と疑心暗鬼になることもあったけど、やってよかった。足立さんは昨夜の打ち上げで文字通り打ち上がりきり記憶や信頼を飛ばしまくったことを悔いながら準備していた。申し訳ないけど結構笑えた。

ここでライブ等をするときは大体野中に頼りっぱなしで足立さんとグッと共に何かをすることは今までなかったけど、さすが店長。今までFireloopで体感したことのない空間の鳴りを知れた。最近のHue'sの音が固まっているというのもあるだろうけど、それを抜きにしても非常に良かった。そのうちFireloopでもライブしたいな。カイシュウにもきてもらって色々パシャってもらった。そう果てしなく遠くはないうちにこの件もアナウンスしたいのでしばしお待ちを。

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迫り来るレコーディングの準備作業も兼ねたゲネプロであった。前回のスタジオが珍しく、何かが進んだ実感が一切なくよろしくないヤバさが滲み出ていたのでこの日を迎えるのが少々恐ろしかった。が、音作って全員でガンッと出した時に これはいけるヤレる と思えたのでホッとした。なのでもうサクサクと進めてはいけたが俺の突拍子もない案に固唾を飲むみずやんと根来真嗣、ヘラヘラ笑う龍。

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全員が納得できる形へ というのは当たり前な話でもちろん大切だが、誰か1人が全てを担って責任取りにいくのも痺れる面白さがあるととれるようになってきた。互いが信じ切れているのを前提に。爆弾抱えて飛び込みたがるやつがいるなら、先陣切らせてダイブしてしまえば新たなデカい爆破を起こせる気がしている。派手に不発したらごめんとは思っている。全部任せろぐらいの気持ちではある。龍の歌と声の良さを1番知っているのはみずやん根来真嗣俺ということにようやく、本当に今更すぎるが気づいた。それぞれメンバーに対しても絶対的にそう。互いを引き伸ばしあっていくだけなのだバンドというものは。

音疲れしたときの帰りは何も聴きたくないほどクタクタになるけど今日はそんなことなく、ずっと何かを聴いていられた。やったし聴くしのバランスがちょうどよかった。これも脳死活動の賜物なのだろうか。脳みそは常々柔らかく、開いていたい。