合計4台のメサブキー

ついにコロナにかかり丸1週間ぶっ潰れてしまった。予防はしてるものの、いつかかってもおかしくないよなぁと思っていた矢先のことである。ライブを2本飛ばしてしまったのは本当に悔しいし悲しい。

今年も苗場からあらゆるもの持ち帰ってきて、余韻に浸っていたところに降りかかるコロナの魔の手。そうそう、今年もフジロックに行ってきた。2019年から中止された2020年を除いて結局毎年行ってるフジロック。去年のこと書かずに迎えてしまった2022年。2021年は海外アーティストの出演は無しで、でも何故か3日間しっかりテント泊で行ってた。行く決め手になったのはenvyの出演。The BirthdayNUMBER GIRLとかよりもenvyをフジで、しかもホワイトで見てみたくてしょうがなかった。いざ日割りステージ割が発表されると2日目のホワイトに上で挙げたバンドが集まってて信じられなかった。即座にチケット取って色々をどうにかして行った。この年のフジロックはアルコールの提供なしで23時前には全アクト終了してオールナイトは無し。フジロックとしては異例すぎることばかりでしたが今となってはもうそんなことどうでもよく思えるくらいにひたすらにenvyが凄かった。envy生で見てみたいな〜とうっすら思い始めたのは確か2019年頃。やっと見れることが決まって、しかも思い描いていた以上のロケーション。彼らがリハーサルを始めた瞬間から本編序盤まで大雨。想像以上の重み深み破壊力のトリプルレクチギター(3本のギターと3発のメサブギーの意)、ホワイトステージと森が響きまくっていた。あの1時間弱は未だに理解が追いつかないほどに完璧で絶対的でした。YouTubeに上がっているFarewell to Wordsの映像はもちろんいいですが音が目に見えて迫ってくる立体感が流石に無い。あの曲の開幕を告げるドラムのフィルから最後のアンプ切る瞬間まで意識がぶっ飛びました。今まで生きてきた中で1番短く異質な5分間だった。本当に。破壊的な轟音が印象になりがちなバンドだと思うけど、静である部分のあまりに美しすぎる三重奏のギター。どこまでも、どんな表現でもギターという楽器だけで全て完結させてやりたいと常日頃から思っているけどあんなものを魅せられてしまったら、自分の浅はかさをただ知らされるだけだった。底なしに人間臭いのに超常現象のようなもの とも感じ取れてしまったenvyのライブ。俺がいつも心奪われるのは正反対に位置するものが同時に発生している瞬間。矛盾、曖昧、不確か。それらが完璧に体現されていた。そんなライブを見てしまったせいか、昨年のフジロックの記憶はenvy以外にほとんどない。別ベクトルで喰らったのはレッドマーキーで見たTHE SPELLBOUNDのライブ。レッドマーキーの無機物と有機物が同時に乱反射する気持ちよすぎる響きを知ったのはこの時が初めてで、あと昨今のTHE NOVEMBERSが何故ああなっているのかが目に見えてわかったような気がしたのが凄く良かった。音で空間を埋め尽くすのか、そうじゃないのかの2択しかない?みたいな音の操り方は見ていてとにかく爽快で、envy以外の存在に心動かなくなりかけていたヤバい精神状態をぶっ壊してくれた。またライブ見たい。アルバム結構良いです。夜更け前に聴くのがいいかも。あとは、3日目のヘッドライナー裏はピラミッドガーデンというフジロックにおいて最もチルに特化した空間で焚き火眺めながらJulia Shortreedのライブ浴びて締めるのが気持ち良かった。今まで生きてきた中で1番有意義な「無」の時間だったと思う。

 

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