The 9 Best Albums of 2020【本編】

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昨年よく聴いた作品の中で、今もなお印象に残っていてふっと聴きたくなったり、これから先何十年も聴いてるやろな~と思われるものをバババっとまとめていきます。2020年はコロナでライブやらがままならず感覚の更新の仕方をすっかり忘れてしまっていたのであんまり色々新しく聴かんかったな~とぼんやり考えていましたが、いざまとめてみると割と聴いてた。なんかもう年代関係なく2020年ベスト化し始めたらキリがなくなったので2020発売作はこの記事の本編として。それ以外は番外編として書きます。Spotifyのプレイリストもつけておくので気になる方はどうぞ。通しで聴いても、シャッフルで聴いてもいい感じにしておきます。それでは発売の日付順で。

 

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GEZAN - 狂(KLUE) 1月29日(水)

 

Recording&Mixing engineer : 内田直之

Recorded at Red Bull Studios Tokyo

Mixed at makisato lab

Mastering : Fumitake Tamura

 

このアルバムが2020年初頭リリースだったということが結構意外。1曲目から11曲目の東京が終わるまではノンストップでつながり続けるメドレー(?)方式。いわゆるトライバルなリズムにダブなアレンジがめちゃくちゃ詰まってて、2019年から2020年にかけてトライバルサイケにハマッてた俺からすると「うわ~きた~いいな~。」って感じでした。一見すると「カオスだな。」だと思う。実際混沌としてはいるけどそれ以上にピュアなものがあって何回も聴けちゃうし心がスーッとする。地方から東京に住み移り、その後何度かアメリカに渡ってライブやレコーディングをしてきた人達にしかつくることができない作品になってる。体現するってこういうことだよな...とつくづく思うよ。見て聴いて身体で感じたものを音楽という手段を使って吐き出す速度がめちゃくちゃ速いそれこそがバンドよなぁ。ヤバイ速度に耐えうる形を成しながらどんどん疾くなっていっているように見える。GEZANは。カオスを潜り抜けた後のPlayground→Iが本当に最高である。この2トラックがあるから狂(KLUE)は良いなという気持ちで聴き終えることができます。ふとした時に人間味が溢れ出すともう一瞬で心掴まれるよ。底なしに優しくて暖かい。多分みんなそれが一番好きで欲しいものだと俺は勝手にそう思ってる。強がっている人こそそうなんじゃないかな。なんか、こんなことまで考えてしまうくらいGEZANの狂(KLUE)は道徳アルバムでした。(大晦日フジロック中継のGEZANもかなり良かった。あの配信の中で一番良かったんじゃないかな。)

《休日前夜》

 

 

 

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envy - The Fallen Crimson 2月5日(水)

 

Recorded and Mix by Daisuke Yamashita at Ultra-Vybe,Power house studio, Summer 2019

Mastered by Josh Bonati Mastering NYC, Summer 2019

 

狂(KLUE)が出た1週間後にはenvyの新譜って、ヤバイ流れやったんやな...。envyはハタチ過ぎたあたりから好きになってCDも買って聴いてはいたけどそこまで深入りはしてなかった。いつの間にか9mm Parabellum Bulletの滝さんがenvyに入ってなんかライブがかなりやばいと耳にし始めた時にちょうどこれが出て買って聴いてみたらもうニヤニヤが止まりませんでしたわ。9mmよりenvyの方がイキイキとギター弾いてね?こりゃ。と。まぁ俺自身が最近の9mmよりenvyの音楽性の方がルーツではあるからなんでしょうけど。今の9mmももちろん好きです。envyは君の靴と未来ばっかり聴いてたので今作の希望の光に満ちている感じには驚いたしちょっと泣けた。そう思いあんまり深い入りしてなかった前作、前々作を聴いてみたら全部腑に落ちましたわ。なーるほど。そりゃいいわ。今作のRhythmやHIKARIのアンビなアプローチはもちろん大好物やし、Rhythmに至ってはRopesアチコさんがコーラスしてるしで大ハマりする要素まみれ。未だにライブは見れてないので音源聴くたびに悶々としています。速くて歪んでいるしアンビだしでもう、ようやく生で見れた時には膝から崩れ落ちるんじゃないかと妄想する日々。ちなみに2020年11月11日に発売されたライブ盤もめちゃくちゃ良いですよ。envyこれから聴いてみたいって人はそっちをオススメします。頑張りたいとき、頑張れないとき、頑張りたくないとき、いつでもどうぞ。

《落胆と疲労

 

 

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踊ってばかりの国 - 私は月には行かないだろう 2月19日(水)

 

Recorded & Mixed Engineer 濱野泰正(KITTY IZU STUDIO)

Recorded & Mixed at KITTY IZU STUDIO

Mastereing Engineer 濱野泰正(KITTY IZU STUDIO)

 

リリースペースが上がり続ける踊ってばかりの国。インタビューでは「曲ができるペースが速いのでバシバシ作ってバシバシ出して、バンドの代謝を常によく在り続けたい」的なことを言っていて最高じゃねーかと思ったのを覚えてる。前々作「君のために生きていくね」と前作「光の中に」とは打って変わって今作は1曲目から超サイケ!いい。かなり良い!と思いきや2曲目タイムワープから3曲目クロールの脱力っぷりと光に満ち溢れる神々しさ。その振り幅と持っていき方のうまさにもうイチコロ、とはいきませんでした。多分初めて聴いたのはフラゲ日にあたる2月18日で、たまたまタワレコ難波にいたので視聴機で再生してみたんやけどなーんかしっくりこなかったんですよね。その数週間後一人で車乗って東京向かってるときに何となくBluetoothスピーカーから爆音で流してみたら「すげーいいやんなんこれ。」となりそこからずーっと聴いてました。やっぱ音楽聴く環境やらシチュエーションって大事ですね。あとタワレコの視聴機用ヘッドフォンはアタックが強すぎて苦手かもしれない。脳筋サウンド過ぎる。何聴いても全部フーファイターズに聴こえる(フーファイターズをディスってるわけではないです)。話が少しそれましたが、最近の踊ってばかりの国は景色が移り変わる(物理的に)シチュエーションで聴くのが非常に気持ち良いです。色々試したところ新幹線との相性が一番良い。一人旅のお供に、ぜひ。オケを分解して聴けるようになってから右から聴こえてくるギター、丸山康太さんのプレイがかなりツボで色々と調べてみたところ彼はジョンスコ(ジャズギターの人)が大好きと知りほえ~となりました。フリーキーではあるがちゃんと耳に残るプレイってジャズからきてんのかな...。気になることが沢山あるのでそれを意識した上でライブを見に行きたい。どのバンドも毎週末どこかでライブをやっていたあの頃を返してくれ。

《キャンプ》

 

 

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downy - 第7作品集『無題』 3月18日(水)

 

Recording at HML STUDIO

Recording & Mixing(T-4,6,8,9,10,11)Engineer : Keishiro Iwatani(WAVE RIDER)

Mixing(T-1,2,3,5,7)&Mastering Engineer : Toshihiko Miyoshi(HAL STUDIO)

Assistant Engineer : Hiroaki Yamazaki(HAL STUDIO)

 

怒涛の邦楽続きで驚いています。envyとdownyが新譜を出す時代に自分が20代でいれることが本当にうれしい。いつも羨む時代でしかなかったからなあこの出来事は。downyはuremaきっかけで知って聴き始めて、その時は第五作品集かな。今見たら2013年...まだ俺が17とか18のとき...。難しくてよくわかんね!って感じでしたがその直後くらいにたまたまBIG CATで見ることになって、見たことない感じたことのない空気にやられたのを覚えてます。金縛りを見ている、みたいな感覚...。それからちょこちょこ聴いてて、ギターの青木裕さんのギタープレイに度肝を抜かれたりしてたんですけど2018年の3月に病気により急逝。未だに実感が湧かないので自分の中ではよくわからないことになってます。残されていたギタートラックも確か入っていて、更にシンセ/サンプラーとしてSUNNNOVAさんが加入した今作。downyのヘビーリスナーってわけでもないのでどれが誰の音だ?と詮索せずに今も聴いてます。詮索したところで多分わからん。だって青木裕さん、どんな音でも出すしどんなプレイもするやんか...。前回の緊急事態宣言中あまりにも暇で「最近は何聴いとんの~?」と電話して問いかけてみたところ「downyの新譜だよ。あれ聴いた?めちゃくちゃ良いんだよ~。」と言ってくれた鈴木よありがとう。あの時第七作品集に触れれてよかったよ。

《不安、焦燥、悶々》

 

 

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Phoebe Bridgers - Punisher 6月18日(木)

 

PRODUCED BY Tony Berg Ethan Gruska & Phoebe Bridgers[The Trilemma]

ENGINEERED BY Will Maclellan and Joseph Lorge

RECORDED AT Sound City Studios,Van Nuys,CA

MIXED BY MikeMogis at ARC Studios,Omaba,NE

MASTERED BY Bob Ludwig at Gateway Mastering Studios,Portland,ME

 

遂に洋楽。いやあこれはやっぱり入れるでしょうよ。前作Stranger in the Alpsをちゃんと越えてきたPhoebe Bridgers。今のUSインディー代表と言っても過言じゃない。今作がリリースされた6月はまだ暑すぎず寒すぎずの気温で、コロナでくそ暇だったので毎朝5時くらいに目が覚めてぼんやり煙草吸いながら聴くのが至福の時でしたわ。1、2曲目をじわじわといってからの3曲目Kyotoでパッカーンと拓ける感じほんとたまりませんよね。ホーンのメロディーが凄まじく良い。一番鳴ってほしいときにくる。Motion Sicknessで止まってる方は聴いてみてください。歌がずっといいのはもちろんのこと、バックの演奏もめちゃくちゃ良いからこう、何度も聴きたくなるし無心で聴けて浄化されるんやろうなぁ。Nationalの来日に帯同してくる予定だったもののコロナにより公演が中止されて悲しいよ。2020年はその2バンド、DIIV、American Football、Big Thief等々来日する予定だったというのに...くそったれ...。

《起床直後の豆砕き》

 

 

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HAIM - Woman In Music Part.Ⅲ 6月26日(金)

 

Produced by Danielle Haim, Rosam Batmanglij , and Ariel Rechtshaid

Recorded at Heavy Duty Studios(Burbank,CA) , Effie Street Studios(Los Angeles,CA) , Vox Studios(Los Angeles,CA) , Strongroom Music Studios(London,England) Except "Noq I'm In It " Recorded at Echo Park Backhouse Studios(Los Angeles,CA) , Heavy Duty Studios(Burbank,CA) , Vox Stuios(Los Angeles,CA) , Effie Street Studio(Los Angeles,CA) , Ulhvälls Herrgård in(Stängnäs,Sweden) , Matsor Projects Studios(Los Angeles,CA)

Mastered by Emily Lazar at THE Lodge , NY

 

Alffo Recordsに通い詰めることがなけりゃこのバンドと出会うことはなかったことでしょう。アメリカのスーパー三姉妹HAIMです。アルフォに行き始めて1か月が経ったくらいにバーカンにいる人たちが皆口を揃えて「HAIMの新譜いいっすな~。」と言っていた。俺は一切知らなかったので店主セイジさんに「はいむってどんなんです?」と聴くと「HAIM知らない?今流してるやつだよ。」と。最初はピンとこなかったものの連日アルフォで飲み続けて己の身体が勝手に揺れているときはいつだってHAIMの新譜が流れていました。マジです。なんというか、うわ~めちゃ良い外タレの代表例~といった感じでしょうか。12月上旬、この冬は今までの上着じゃ越せる気がしねーなと思い勇気を振り絞り小洒落た服屋に駆け込むとこれが流れてておったまげた。スーパーオーバーグラウンドポップミュージック。まさかこういうのにハマるとは思わなかったけど、ちゃんとギターがめちゃくちゃ鳴ってるんですよHAIMは。楽器の生感がしっかり出てる。俺のお気に入りは5曲目Gasolineのアウトロのギターです。絶対POGやん!って音が鳴ってる。USJのハリウッドエリアでも流れてそう。自分の中で今までになかったジャンルなので2020年感一番強いかも。

《休日のパスタ》

 

 

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The Birthday - ヒマワリ/オルゴール 11月11日(水)

 

Recording & Mixing Engineer : Ryoichi Fukumoto(10.19) for BAD MUSIC

Mastering Engineer : Hiromichi "Tucky" Takiguchi(12.13) for Tucky's Mastering inc.

 

アルバムじゃないけど、この2曲の密度が高すぎるThe Birthdayの両A面シングル。チバユウスケのかっこよさを知ってからもう小学校2回分程経つけど、今もなおずっと新しくてオールドスクールで、頼もしく力強くてしなやか。書こうと思いつつ書けてないけど、これのツアーとして東名阪ホールで周ってくれてそれの大阪フェスティバルホールに無事行けたんですけどもう心が大変でしたわ...。ヒマワリはチバユウスケ特有のアウトロー感が効きまくっていて年取れば取るほどいい具合に滲み出る渋みが澄み渡っていてうわ~いいなぁ。としみじみと感じるわけです。そして2曲目のオルゴールは勝手な憶測ですがイントロからギターのフジケン節が曲を支配していて、ギター弾きの私からすればもう涙がこぼれそうというかこぼれまくりですし膝から崩れ落ちるというかなんなら肘、いや顎から崩れ落ちる勢いなんです本当に。イントロのコードストロークからAメロ入りチバユウスケの歌とキュウちゃんバスドラだけの時間が尊くてしょうがない。そして時たまフジケンがやるオールドなコーラスエフェクトの響き。フェスティバルホールの日、2階席ではあったが上手(かみて)の足元にRoland CE-1があったのを俺は確認した...。でも踏んでなかった。多分コーラス効果はTCの最近のやつでやってるんかな。CE-1はバッファー効果だけ得てるんでしょうか。まぁ何使っても彼は上手すぎるしエロ過ぎるのでなんでもいいのですが。それよりもイントロのあのフレーズの音、生で聴いたら涙が止まりませんでしたわ。本編ラスト2曲のCOME TOGETHERとオルゴールはテレキャスでやっていて、今まで聴いたギターの音の中で一番「いい音」であり「好きな音」でした。やっぱ俺はテレキャスが好きなんだろうか。時たま音が見える云々の話をしますが、この日は見えっぱなしで嬉しくてしょうがなかったな。フェスティバルホールの鳴りも完璧だった。フジケンのマーシャルはプレキシパネルなはずなのに金色のふっとい鞭みたいな軌道を描いてるときもあれば、職人がろくろで丁寧に作った茶碗や湯飲みのような茶色くごつごつした丸みを帯びた器のような形をしてるときもある。日本で今一番好きなギタリストは誰?と聴かれた間違いなくフジイケンジと答えることでしょう。彼のギタープレイは人間国宝であり、分かる人には分かる値が付く骨董品だ。

《背筋伸ばし》

 

 

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King Gizzard & The Lizard Wizard - K.G. 11月20日(金)

 

1.K.G.L.W. 

RECORDED BY STU MACKENZIE

MIXED BY STU MACKENZIE

2.AUTOMATION

RECORDED BY STU MACKENZIE

MIXIED BY STU MACKENZIE

3.MINIMAM BRAIN SIZE

RECORDED BY JOEY WALKER AND MICHAEL CAVANAGH

MIXED BY JOEY WALKER

4.STRAWS IN THE WIND

RECORDED BY STU MACKENZIE AND MICHAEL CAVANAGH

MIXIED BY STU MACKENZIE

5.SOME OF US

RECORDED BY COOK CRAIG AND STU MACKENZIE

MIXED BY STU MACKENZIE

6.ONTOLOGY

RECORDED BY STU MACKENZIE AND MICHAEL CAVANAGH

MIXED BY STU MACKENZIE

7.INTRASPORT

RECORDED BY  JOEY WALKER AND MICHAEL CAVANAGH

MIXED BY JOEY WALKER

8.ODDLIFE

RECORDED BY STU MACKENZIE AND MICHAEL CAVANAGH

MIXED BY STU MACKENZIE

9.HONEY

RECORDED BY STU MACKENZIE

MIXED BY STU MACKENZIE

10.THE HUNGRY WOLF OF FATE

RECORDED BY STU MACKENZIE

MIXED BY STU MACKENZIE

MASTERED BY JOESPH CARRA

 

ついにこの名がきてしまったかと思った方々が少なからずいると思います。King Gizzard & The Lizard Wizardまさかのセルフタイトル作...になるんでしょうかK.G.。前作の鬼ハードロックアルバムInfest Rats' The Nestから打って変わってハイパーサイケな今作。コロナが蔓延しだして思うように活動がうまくいかない世の中になってから、知りうるバンドの中で一番上手く凄まじい速度で動いていたのは彼らなのでは?この時がくるまで温めておいたんじゃないかと考えてしまうほどのライブ盤と1stアルバム以前の作品のリリース、それと並行して2ヶ月に1回新曲を出していたのは今考えても異常だと思う。その締めくくりとして(?)今のキングギザードを大々的に詰めまくったであろう今作。なんとリモートで制作されたらしい(AlffoのK.G紹介文に書かれていた)やばすぎるだろう。更にiPhoneのボイスメモで録音したトラックもあるらしい。やったもん勝ちとかっこいいを両立してしまえる彼らの技量の反応速度、本当に異常である。GEZANの狂(KLUE)のようにメドレー式で突き進むノンストップサイケアルバム。GEZANは最後綺麗にまとめて終わったけど、キングギザードは最後いきなりぶち壊して終わった。初めて聴いたときは笑いが止まらんかったけど幾度となく再生してきた今となっては「これが当たり前っしょ~。」っていう気持ちで聴いてしまう。完全に洗脳されてしまった。きっと1曲目から5曲目がサイケ洗脳タイムで6曲目は完全にキマッた人たち向けのぶっ飛びソングになっています。これを聴く場合は必ず1曲目から飛ばさずに再生してください。例の6曲目がくるころにはあなたはKing Gizzard & The Lizard Wizardの虜になっていることでしょう。7曲目ではクラブで流れてそうなアプローチで、もう笑う前に身体が動いてしまう。でもそのあとにはまたシリアスなサイケが始まるんですわ。なんなんでしょうか彼らは。今私がこう長々と書いている間もStu(Vo&Gtでありメインコンポーザー)の頭はフル回転で次の次の次の、更に次の動きまで考えてることでしょう...。常に振り切ってて情報量が多いけど、ちゃんとまとまってて一見するとシンプルになってるんですよねぇキングギザード。恐ろしい。コロナのおかげで2020年はキングギザードを全作品聴き入るとこまでいけたけど聴けば聴くほどわけ分かんないです。最近何聴いても退屈で入ってこないって人にこそオススメしたい。一家にOne Gizzで。

《ガンギマリ》

 

 

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OGRE YOU ASSHOLE - workshop3 12月20日(日)

 

Mixed , Mastered by : Soichiro Nakamura (PEACE MUSIC)

 

一旦2020年リリースのベスト最後になります。まさか2020年にworkshopの新作が出るとは思いもしなかった。半年に一回のペースで出してくれ曲目は全部同じでいいから。どうせアレンジ全部違うことだろうし。これがリリースされた直後みずやんは「あんま良くない...?なんかチルすぎる。」と言ってて確かに納得はしたけど、聴きまくってたら見えてきました。このアルバムは、まだ脳が半分以上寝てる起き抜けの一服と共に聴くか、どう足掻いても眠れない夜に小音量で再生してたらいつの間にか眠っている。その二択がベストリスニング方法だと思います。オウガも実は去年見れて、しかも2部制だったので両方行ってきました。セットリストは1曲ずつ違うだけだったんですけど全くの別物で笑い止まらんし興奮もなかなか収まらずでした。1部は全体的にしっとりめ(とは言えブチ上がりポイントはいくつもあり)で終わったんですけど2部の尖りっぷり、攻撃こそが最大の防御!的思考で突き進めていく様子は痛快以外の何物でもありませんでした。一番爆笑したのは、2部の朝。1部の時点でかなり楽しく気持ちよくなれたのですが不眠のまま会場に向かっていたので身体が限界を迎えており、2部の後半に行われた朝で棒立ちのまま意識を失ったんですけど、ハッと目を覚ました時もまだ朝をやっていたことです。そのやばい朝に近いテイクがworkshop3には入ってますのでぜひお買い求め下さい。あと特筆すべきなのは10曲目の動物的/人間的。このテイクは2018年9月くらいに行われた野音豪雨ワンマンのもので音はiPhoneのボイスメモより悪いんじゃないかってレベルなんですけどそれがまたいい味を出してるんですよ。この日ライブで初披露ってこともあり初々しさが満載なんですが曲の雰囲気と相まってそれが本当に良いんです。夜の船に次ぐ名曲だと思う。また野音でワンマンやってほしいな。豪雨でもいいから。今までライブを見るたびに、Rope(Long ver.)や見えないルールのインプロセクションの主導権はドラム勝浦さんが握ってるんかなと思ってたけど年末に見たライブでは確実に馬渕さんがすべてを握ってました。壊すのも守るのもブチ上げるのも馬渕さんが司っていて...あれは見惚れるよ。見えないルールのアウトロを焦らし、最後小節増やしてぶっ壊しまくってたあのシーンを生で見て惚れない人はいるんだろうか。それくらいかっこよかったな。そろそろ地獄バージョンの素敵な予感もライブでやっていってほしいな。そのまま朝なんかにいってしまったらもうひたすらにブチ上がり続けるだけの生き物になることでしょう。OGRE YOU ASSHOLEは音源聴いてるだけでライブはまだ見たことない、質素なへんてこバンドだと思ってる人にこそ生で見てもらいたい。よく人力テクノと言われてますが、それが構築されていく様子を生で見るのはたまりませんよ。ルーパーを使ってないし同期もない。リアルタイムでしか出せない面白さ、旨み、圧巻です。

《脳に風穴》

 

 

機材メモ(把握分のみ)

・GEZAN

VOX AC-30(Alnico Blue)、HIWATT DR-103、Roland JC-120、SUNN 300T、BIG MUFF(TONE BYPASS切り替えスイッチ付き)、Strymon TIMELINE,FLINT,Riverside、BOSSのディレイ、その他多数。探れば探るほど「凝ってるな...ちゃんと考えられてるな...」と唖然とする。昔のインタビューでギターの人が「真空管抜いたりして良い音研究してる。」と言ってるし...。ギター周辺に関することちゃんと全部分かってそう。あの白いギターはElectrical Guitar Companyのなんだろうか。

・envy

MESA BOOGIE Dual Rectifire3つくらい、キャビネットは横向きにしてハードケースに乗せてる。

downy

謎が多すぎる。

Phoebe Bridgers

Twin Reverb、足元はこれといって珍しいものはなさげ。

・HAIM

LIVE映像ではDeluxe Reverbが並んでいるが、音源ではHot Rod Devilleの音がしている気がする。足元はこれといって。

The Birthday

Fender Hot Rod Deville412、Marshall lead & bass(JMP50のコンボ?),Super BASS、BOSS BD-2,TR-2、Roland CE-1、dod fx10、MAXON AD-900

・King Gizzard & The Lizard Wizard

Fender Hod Rod Deville×3、その他不明点多数。人は多いが機材は意外と少ない。珍しいものもほとんどない。

OGRE YOU ASSHOLE 

Fender Twin Reverb、Marshall ARTISTE、Roland JC-120,RE-201,DC-20、Acousticのベーアン